朝日連峰縦走(30)山形駅にたどり着く

野遊が山形駅に着いたのは、直射の西日も和らいだ18:30。
1時間半歩いたことになる。実に予定外の無駄な行動だった。

ビジネスホテルはいろいろあったが、駅の近くにした。料金とか、もう比べるゆとりはなかった。とにかく疲れて、早く横になりたい。カウンターで手続きを済ませると、ロビーにコーヒーがあって、紙コップで自由に飲んでいいと書いてあって、部屋に持って行ってもいいそうだ。野遊はまだ部屋にも行ってないのに紙コップにコーヒーを入れてエレベーターを使って3階に行き、キーを差し込んで部屋に入った。

ザックを下ろし、そのままベッドに倒れこんでしばし。もしコーヒーを持ってきていなかったら、野遊は寝入ってしまったかもしれない。でも飲み意地?の張っている野遊、「コーヒーコーヒー」と起きだして、飲んだ。ああ〜おいしい!

靴を脱いだら足がふやけていた。途中バスなどに乗ったが、13時間半行動だ。狭いお風呂に入ってバスタブでうっつらした。ようやく落ち着くとお腹ペコペコ。ソイジョイはすでに食べる気はなく、街に出て行くことにした。すでに20:00をまわっていた。

夜の山形駅は、下品なくらいに飲み屋の看板があそこにもここにも掲げられ、呼び込みの人がわめいている。通り過ぎる人を誘っているが、野遊が通っても誘わなかった(・・?
野遊はまず駅の構内に入って行き、明日の新幹線のチケットを購入した。一番早い時間で新宿まで直行するのにした。早起きが身についている今は平気だ(^.^)
さっき駅に着いたときは、チケットを買う気力もなかったので。また、ギャーギャーしている山形駅で、明日、少し散策して帰ろうかという気もおきなかったのだ。せっかく初めてのところだけど、夜の景色の印象がよくなかったのが不幸だ。

コンビニがあったが、お弁当を買おうと思うと、ずっと山で食事してきた体が反応してくれない。作りたての、おいしいものが食べたかった。
路地裏に、小さなお蕎麦屋さんを見つけた。ちょっと勇気がいったが、戸を開けると明るく「いらっしゃいませ〜」と言われて中に入った。
カウンター席のお店だった。モリソバを注文した。カウンターにはカップルがひと組いて、お酒を飲んでいた。ここはお昼はお蕎麦屋で、夜はお蕎麦屋だけど飲み屋だそうだ。おいしいお蕎麦だった。

お腹いっぱいになって、なんかヨロヨロホテルに戻り、しばらくゴロゴロしていたが、やがて眠った。