2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒマラヤ山行(35)名物朝の体操

小さな飛行機内で、みんなが窓外の景色に心を奪われているとき、それらに交じって、あの優秀なる鬼コンダクターが、狭い座席の通路側に半身を傾けながらうっつらしている姿があった。体がだんだん傾いていくので、本当の居眠り状態のようだ。 膝の上には、山…

ヒマラヤ山行(34)ラりグラス咲くルクラ

2014年4月1日 赤いラりグラス(シャクナゲ)咲くルクラはまだ寒く、ダウンを着こんでいるクライアントもいる。重量制限があり、個人が身につけていればそれは重量には入らない、ということで、往きは相当着込んだクライアントもいたが、帰りなのだから荷は軽…

ヒマラヤ山行(33)レンジョパス越え断念

ゴーキョに連泊して、二日目はチョ−オユーBC方面にトレッキング。 これは天候などでゴーキョ・ピークに登れなかった場合を考えての予備日。この日、リーダーが明日の予定変更を発表した。 例年より雪が深いため、行程9時間のレンジョパス越えを断念すること…

ヒマラヤ山行(32)ゴーキョ・ピーク Gokyo.re Ⅲ「ビューティフルビュー」

快晴。藍一色。「宇宙色の空」と言うらしい。 ゴーキョ・ピークからの景色は、エヴェレストが思ったより近くに、一番高く聳えている。その横(東)にはローツェ。ローツェシャールは肩をそびやかした感じでちょっと後ろ側になっていて、よくわからない。そこ…

ヒマラヤ山行(31)ゴーキョ・ピーク Gokyo.re Ⅱ「すごい丘、これがヒマラヤだ」

ゴーキョ・ピーク5360mは遠くから見ると黒い丘だ。ゴーキョから見あげても丘だ。周囲に錚々たる名峰の数々が聳え競っている、その手前の突起であり「何これ」という感じなのだが、もしこれが日本にあったらもう断トツ日本一なのだ。でも、どうも富士山よりは…

ヒマラヤ山行(30)ゴーキョ・ピーク Gokyo.re Ⅰ「セカンドポジション」

2014年3月26日(水)午前中快晴 ゴーキョ・ピーク アタック日! 5360mに登れ!!起床4:30(いつも通り、柄杓半杯ほどのお湯と、色つきお湯の紅茶MC) 朝食5:00(いつも通りのお料理を、いつも通りトレーごとNo thank you) 出発5:30(体ボロメタだけど喜…

ヒマラヤ山行(29)ゴーキョ 

ロバンガ、タウジュン、ドウドポカリ。これはゴーキョの第1レイク4710m、第2レイク4740m、第3レイク4750mのこと。 2014年3月24日(月)、マッチェルモ4470mからパンガ4480mを経て湖を左に見ながら進んでいく。湖からの風がものすごく寒い!!と、昨日リーダー…

ヒマラヤ山行 (28)現地人シェルパ

ヒマラヤ山行をしなくても山好きは、たいてい「ナマステ」と「ビスターリ」という言葉に親しんでいるだろう。ほかに「チト」「タギョ」などはネパリジャパニーズ用語みたいな感じで山屋の間で使用されていると言えるかな。それはシェルパがたと親密に交わり…

ヒマラヤ山行(27)お昼寝厳禁 鬼の鞭

このトレッキングはたいてい午前中行動だ。今日宿泊するロッジに着いてランチ、そのあと、部屋のキーが配られ、夕食まで自由。トレッキング前半は、高所順応のご近所ハイクがある。高度が3000mくらいまでは、物足りない気もしたが、こうしながら徐々に高度…

ヒマラヤ山行 (26)高度でゼーハー

ロッジでは息苦しくはないが、行動すると苦しくなってくる。 技術的に困難なことはなく、大きな荷を背負ったポーターやゾッキョたちも通るただの山道なのに、わずか登りがかかると、にわかに息があがるのだ。 固い空気の中に顔を突っ込んでいるような感じ。…

ヒマラヤ山行(25)ヒマラヤ見たさに身の程もわきまえず!

モン・ラ3973m。ドーレ4040m。マッツェルモ4410m。ゴーキョ4750m。ゴーキョP5360m。この日々が最も苦しかった。自分の感覚が横柄になっていった。まず着替えが面倒になっていった。持参した服は3種類。行動用の服一式に、その着替え一式。それとロッジに着…

ヒマラヤ山行(24) 薬の話Ⅱ「胃腸薬」

トレッキング4日目あたりから、腸の具合がメチャメチャ状態になって、ミヤリサンがどんなに大事か知ったけれど、そのあと胃も具合悪くなって、腸内環境を正常にする薬だけでは賄えなくなり、ふうふう言っている野遊に、胃薬をくれた人。同じツアーの仲間とは…

ヒマラヤ山行 (23)薬の話 Ⅰ「整腸剤」

持参した薬はミヤリサン。整腸剤だ。便秘、下痢に効く。野遊の息子が幼児のとき、具合が悪くなるとミヤリサンアイジのお世話になったので、野遊としてはなじんでいる。野遊の所属していた山岳部は断然正露丸派だったので、しばらく野遊もそうだったが、子供…

ヒマラヤ山行 (22)毎日シャリバテ?

大体何でも食べられるはずの野遊が、なんでこうなるのというほど食べられなくなって情けない。食欲がないわけではないけれど、シェルパがたが作ってくれる食事に拒絶反応を起こしてしまう。匂いが漂ってくるだけで「あ〜も〜ダメ」という気がしてくるのだ。…

ヒマラヤ山行(21)ダイアモクス

この薬を出すのは指定医があり、予約を入れて出かけた。カトマンドゥでも売っている。価格は日本よりずっと安いそうだけど、慣れていないので日本で用意していくことにした。 実はイヤだった。こんな薬、使いたくないと思った。最初から半錠ずつ服用して、30…

ヒマラヤ山行 (20)  パルスオキシメーター

朝夕、食堂に集合して小型のパルスオキシメーターで血中酸素飽和度数を自己測定して健康手帳に書き込む。それを優秀な鬼コンダクターが集めて、夜チェックして、朝また食堂に持ってくる。クライアントがめいめい自分のを取り出してパルスオキシメーターの使…

ヒマラヤ山行(19) 不本意ながらトイレの話 Ⅱ「青空トイレ」 

そもそも野遊は、野外で排泄しないタイプだ。もとい!しないタイプだった。 先に行程を調べて、トイレどころも掌握して、それに合わせて体調を調節してきた。そんなこって膀胱炎になるほどの迂闊者ではない、昭和中期生まれだぞ、そのくらいの知識と根性は持…

ヒマラヤ山行(18) 不本意ながらトイレの話 Ⅰ「ジゴクノトイレ」

野遊にとって、このヒマラヤ山行でトイレ問題は、押しも押されぬトップに躍り出ているほどの重要な部分となった。あのジゴクノトイレに、何度うなされたかわからない。今も夢に見る。とにかくペーパーのない世界なのだ。どんなトイレかは、もう気持悪くて具…

ヒマラヤ山行(17) 集落 Ⅲ「नाम्चे बजार Namche Bazaar」にて

音に聞く ナムチェバザール。 नाम्चे बजार と書くのよ。 多くの写真家、登山家たちが、ここに暮らす人々を、子供たちを、風景を、動物たちを画像にして人々に伝えてきた。どれも人間味あふれる画像で、野遊は長い間、この集落というか村というか街というか漠…

ヒマラヤ山行 (16)集落 Ⅱ「大都会ナムチェバザール」

右手に川がずっと続いている。これがゴーキョから流れてくるドゥードゥコシだ。「ミルクの川」という意味だそうで、氷河が削った鉱物が混じって白濁している。 ドゥードゥコシ沿いに林間ルートを歩いていく。トレッカーが後ろから追いついてくると道を譲る。…

ヒマラヤ山行 (15)集落 Ⅰ「エヴェレスト街道は村から村への移動道」

高所の村とはどうなっているのか理解することができなかった。目で見てようやく納得することもある。 カトマンドゥから小型飛行機が飛び立ち、ヒマラヤの山群に目を見張るとき、眼下にうねうねと広がる山々がそのまま直に5,6,7,8000mの高峰につながって…