2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

朝日連峰 障子ヶ岳 26 「山仲間たちの感想」前編

野遊の記事に寄せてくださった見知らぬ山仲間方です。【2点のミスが気になります。①朝食に炭水化物を摂取してない。 血糖値が低いままでは運動はできない。 ②真夏は真水補給は危険。発汗で体液中のミネラルなどが排出され、真水で補うと体液の濃度が低くな…

朝日連峰 障子ヶ岳 25 「野遊の判断」

だれも来ず、ひとりだったらどうしていたか。 野遊は障子を越えて1時間歩き、ふり返って、すぐそこにそびえる障子を見て愕然としたのだった。まだいくらも距離を稼いでいない。30分くらいのところを1時間もかけていたのではないか。吐き気、めまいはなかった…

朝日連峰 障子ヶ岳 24「山屋の判断」

ブルーベリー氏。 野遊の到着が遅いので、引き返したかもしれないと思ったそうだが、17時、二人組が小屋に到着して、あとから一人来ると聞き、あ、あの人だと察知した。障子ヶ岳の手前。微妙な時間、微妙な地点であると思ったそうだ。障子を越えたと聞いたな…

朝日連峰 障子ヶ岳 23 「山屋の語録」

今、山屋さんがたの言葉を思い出している。含蓄があると思った。【ブルーベリー氏】(野遊に会って歩きだすときの言葉) 「心配なのは、これから。疲れて足を滑らせて落ちてしまえば一巻の終わりだから、よく気をつけて歩くように」 (あとで小屋で) 「本当…

朝日連峰 障子ヶ岳 22 「寒河江」

Mさんの車に乗車して寒河江の駅で降りた。ここで別れた。よく見ると西寒河江の駅だった。無人駅舎だ。寒河江にはここから1駅なのだが、2時間も待たねばならない。Mさんは、通りすがりだと言っていたが、通りすがりでも、本当ならここは通らないのを、わざ…

朝日連峰障子ヶ岳 21 「30分の汗だく」

林道に出て、車で大井沢に行き、ゆったり館で汗を流してから帰ることにする。先ほど天狗の小屋付近で出会った登山者は俊足で、林道を歩いて行ったようだ。林道では男性3人それぞれの車に乗車した。写真家さんはまっすぐ帰宅するそうで、Mさんはゆったり館に…

朝日連峰 障子ヶ岳 20 「長靴」

「どうして天気がいいのにザックカバーしてるんですか」と、明るい人懐こそうな笑みを浮かべてMさんが天狗さんに問うと、「どこに持っても同じだから」と、天狗さんは奇妙な返答をしていたが、全く天狗さんのザックといったらズデンと大きくてしかも斜めに偏…

朝日連峰 障子ヶ岳 19 「東北朝日気質」

7月18日(月)晴れ今日はバカ平へ下山だ。昨夜食べた焼肉風の残りがフライパンに入っていて、蓋もされずに出し放しだった。そのそばで写真家さんもMさんもシュラフを抱いて寝ていた。野遊は皆さんの使った食器を洗ったりしたが、天狗さんが「このままでい…

朝日連峰 障子ヶ岳 18 「8の字登山」

小屋番さんのいる日の天狗小屋の夜はお酒と共ににぎやかだ。初日の夜だが天狗さんの話で、「8の字登山」が出てきたときは興味を持って耳を傾けたが、実際の体験談ではなかった。 天狗の山から以東岳に向かう道がある。バカ平から入り天狗から以東、狐から天…

朝日連峰 障子ヶ岳 17 「朝日軍道」

直江兼続の造った伝説の朝日軍道は、今は全部を歩けないのだが、歩けるところをたどる登山者がいると聞いたことがある。天狗さんも歩いたことがあるそうで、「一度にですか」と聞くと、そうではないそうだ。南方は途絶えている箇所もあり、以東岳から出羽の…

朝日連峰 障子ヶ岳 13 「縦走断念」

小屋に着くと、渓流釣りの宿泊客が数人と、野遊を追い越して行った二人組、写真家さんなど、みんなで酒宴を開きながら、野遊のことを心配してくださっていたようだ。 渓流釣りの人たちにドラマティックによかったがられ、手伝いましょうと必要以上に面倒をみ…

朝日連峰 障子ヶ岳 12「十六夜に浮かぶ障子ヶ岳のシルエット」

歩きだす前にブルーべリー氏に 「ヘッ電出しといて」と言われたときは、「そんなに暗くなるまで歩くものか」と思ったし、早く歩きだそうと焦ったが、彼らは急ぐ旅路ではなし、のんびり行くつもりだったのだ。ブルベリー氏が先頭を行き、野遊がついて行くのだ…

朝日連峰 障子ヶ岳 11 「プチ遭難でしょうか」

意識もはっきり、元気になった野遊、早く歩きたい。 ところがブルーベリー氏は、 「天狗の小屋の山田さんが来るから待って」と言う。え〜っ、天狗の小屋番さんが来るの、これって、すごく大げさになってるの、なぜなぜどうしよう。 でも、助けてもらったのだ…

朝日連峰 障子ヶ岳 16 「交流」

いろいろな人が天狗の小屋にやってくる。冷たいお水を飲んでいく。 「あの水に3分、手を浸けていられたらビール一本あげよう」と、天狗さんは得意満面で言っていたが、20秒と浸けていられない。野遊はタオルをゆすいだあと、絞れなかった冷たすぎて。少し休…

朝日連峰 障子ヶ岳 15 「天狗の庭」

もったいないほどいいお天気! 年に一度の梅雨明け十日、それも最近は地球が尋常でなくなってきて、うまく好天に合うかどうか難しくなってきているのだが、今回は大正解となったのだが・・・けれど未練はすでに絶った。渓流釣り連はバカ平を下って帰途につく…

朝日連峰 障子ヶ岳 14「恩人の名前」

7月17日(日)晴れ。朝、二階のスペースで渓流釣り連が朝食の準備を始めた。野遊は朝食用のパンを昨夜提供したので、ソイジョイでも食べようか、スープを飲もうか、ニュー麺でも作ろうか、など思いながら、何にするか決めていないままお湯を沸かしていたら、…

朝日連峰 障子ヶ岳 10「水」

歩きだしてまもなく、そこはわりと平らな道で、ゆるくカーブしているのだが、前方からひょい、といった感じで顔を出した人がある。あれ。ブルーベリー氏だ。夢か。 「迎えにきてくださったのですか」と、思わず野遊は聞いた。 「うん」とブルーベリー氏は言…

朝日連峰 障子ヶ岳 8 障子ヶ岳に立つ

残り少ない水を少しずつ飲みながら、野遊は息を切らしているわけでもないのに体が思うように動かない。苦しくないがだるい。行く手の障子ヶ岳を見つめすぎて、そこから音楽が聞こえてくるのだが、気持のいい音楽ではないのだ。頭の芯がぼんやりしていた。上…

朝日連峰 障子ヶ岳 9 「熱中症」

あんなに汗が出ていたのに、ぱったりと出なくなった。皮膚が熱く、サラサラしている。これはアブナイ〜このまま水分なしでがんばって歩けば、熱中症で失神してしまう〜でも休んでばかりいたら進まない〜アドレナリンが〜乳酸菌が〜ミトコンドリアが〜頭でわ…

朝日連峰 障子ヶ岳 7 「紫ナデ」

そこからの登りの猛烈な暑気は、大変なエネルギーの消耗となったが、野遊は暑さを苦しいとは感じていなかった。もっと暑い山行を体験していると思うし。 しかし胃がふさがったような感じが治らないのには閉口し、フルーツ味のソイジョイを食べようとしてもダ…

朝日連峰 障子ヶ岳 6 「ブルーベリー」

ゆっくり登っていきながら、どこかで休んで朝食を摂取せねばと思っていたら、ひとり登ってきた人がいた。山側に寄って道をあけた。 「おはようございます」と、挨拶し合った。 その人は登りながら話しかけてきた。 「どうしてこのコースを選んだのか」と聞か…

朝日連峰 障子ヶ岳 5 「朝日族の朝日への心意気」

7月16日(土)朝、女将さんが声をかけてくださったので目覚めた。4時45分だった。自分から起きたのではないので、時間はまだ早かったがそれこそ飛び起きて布団をたたみ、トイレへ行って口をすすいでザックを背負い、玄関口に立ったのが5時。ちょっと…

朝日連峰 障子ヶ岳 4 「湯殿神社、ゆったり館」

7月15日(金)朝鎌倉を出て昼に山形に到着、月山登山口にバスで行って橋本荘さんに車で迎えにきていただき15時前に着いた。 「ここを何で知ったのですか」と、橋本荘のおじさんに聞かれて 「志田勝利さんに教えていただいたので」と答えたら、 「この人…

朝日連峰 障子ヶ岳 3 「山じい」

昨年は夜行高速バスを使用した。電車よりもずっと安い。前夜遅くに出発は眠れないし辛いこともあるが、朝一番で現地に降りられる。このたびは、どうでも好天時に出発したく、予約の必要な高速バスをどうしようかと思っていた。山形には5時に着く。そこから…

朝日連峰 障子ヶ岳 2 「三方境から見た天狗への道」

昨夏、タキタロウ小屋からオツボ峰を越え、以東岳から狐穴小屋に寄って昼食タイム、そこに「天狗角力取山」という道標を見た。それはなだらな登りになっていて、そっちに歩いて行きたくなったほどだ。しばし眺めてから竜の小屋に向けて出発、三方境に立つと…

朝日連峰 障子ヶ岳 1 「この世で一番嫌いな山」

好きな山はいくらでも挙げられる。 甲斐駒、赤石、聖、薬師、笠・・・ 大きく言って、南アルプスが好きだ。北アルプス、八ヶ岳、谷川連峰、丹沢山塊も大好きだ。 みんなそれぞれの理由がある。 そして何よりも好きなのが朝日連峰だ。・・・嫌いな山ってある…