2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

焼石岳 20 最終章 ありがとう

中沼は美しい。晴れていても、霧でも、雨が降っても美しい。雪もきっとよく似合うだろう。中沼に向かってファインダーをのぞく写真家さんの姿も美しい。野遊にとって「朝日連峰の写真家さん」は、いつのまにか「焼石岳の写真家さん」になっていた。今、野遊…

焼石岳 19 無償の情熱

10月5日(月)晴れ。 今朝は昨夜のカレーを温めなおして、朝からカレーご飯と、いろいろなお惣菜で、おいしく朝食をいただいた。リーダーの手料理は素朴な味わいでおいしい。男の人たちが彼女を慕うのは、胃袋をつかまれてしまったこともあるのではないかな…

焼石岳 18 稜線世界

上方に行くにつれて風が強まる。東のほうから黒雲が湧いている。リーダーは引き返したほうがいいのではないかと逡巡した。けれどそれは一枚板的な雲で、方角的には横に流れていくはずだ。と思ったが野遊がそんなこと言える立場じゃないわね。野遊はあの急登…

焼石岳 17 朝のひととき

10月4日(日)朝5時。 リーダーは朝食の準備を始めた。ちーちゃんと野遊は手伝った。バケツに張った水に放たれたキノコや山菜を洗いながら取り分けた。キノコのお味噌汁と、豪快な卵料理。何種類もお惣菜が出て、またまた楽しい朝のひととき。(それにしても…

焼石岳 16 10人の宴

経塚山の頂上は強風だった。石にしがみついても引き剥がされそうだ。以東岳から狐穴に向かう道で、こういう強風にあおられたことを思い出す。真夏で暑かったのに、強風は一気に体温を奪い、ヤッケは着ていたが下半身が冷えて、ひと吹きごとに気が遠くなるよ…

焼石岳15 経塚山

日当りの感じられるスペースで、ちょっと休憩タイムを取ってから出発。ああ〜また水水しい道が。どこまでこうなの。先頭を行くリーダーが「もうそこよ、これで終わりよ」と言う。水だらけで、そんな気配感じられなかった。希望希薄な前方に、ふいに小屋が現…

焼石岳 14 魔のコース

山神のご加護により魔の渡り廊下を過ごし、4人で大きな岩の上に立ったり、向こう側に立ったりしてリーダーを待った。やがてリーダーの姿が現れた。みんな黙って見ている。やっぱりここは一種のポイント箇所なのか。リーダーはストックで数度川底を探り、こち…

焼石岳 13 初ストック、出したら不要シーン

地図では川に沿って登っていく箇所があったので、そこに向かって気を引き締めて歩いて行ったが、水場面が多く、なんだかどこもかしこもそこらしい感じの道になってきて、もうどこら辺を歩いているのかわからなくなっていった。 覚悟して最初からショート・ス…

焼石岳 12 野遊の「D.S.D.D」

今回、野遊はダブル・ストック初使用。 数年前まではストックを持たない登山者だった。 でも足腰が効かなくなってきたという自覚があり、知人に勧められて1本ストックを持ってみたら、知ってしまった蜜の味。これは楽だわ〜と、喜んで頼ったら、右利き野遊…

焼石岳 11 中沼登山口から

中沼登山口は2方面に行く道がある。前回(6月)は中沼方面に歩いて行った。今回は急登コースに向かって出発する。この登山口に、しっかりしたトイレが建っているのがありがたい。みんなで出発準備にかかる。車から降ろされる品物は、これからキャンプに出…

焼石岳 10 すごい林道

車は、前回見覚えのある胆沢(いさわ)を通り、いよいよ林道に突入していった。中沼登山口に向かっている。そうか、では途中下車して林道を歩くのだな。ただでさえ相当神経を使う林道で、それが端が崩れている箇所が出てきても、車はガタンガタンと進み、も…

焼石岳 9 よろこびのスタート  

2015年10月5日(金)、夕方一ノ関駅到着。まだ2度目なのに、知っている駅という感じで懐かしい。駅そばのBHに宿泊。野遊は2通りほど行程を書いてきたので、それを元に地図を見ながら、ちーちゃんと明日のことを話し合った。中沼林道が先日の台風で壊れてしま…

焼石岳 8 リーダーに任せよう

山じい、今度こそ登れるかな焼石岳。あの頂上は下から見るとなだらかで、雪が丸くついていて、とてもきれいですね。北アの双六岳の兄弟みたいなお顔をしてますね。焼石岳って、最初に行った日が雨っぽかったので水の印象が多いです。池塘か沼か池か湖か、点…