2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朝日連峰 この秋 8 「妖精が飛びかう世界」

青い空に、ナナカマドの丸い小さな実。不透明なオレンジ系はコリコリと固く、真紅の実はツルツルしていて、ワインレッド系は濡れたような光沢がありプヨプヨしている。「旬の真紅」を主体に、熟れた「うばナナカマド」の艶やかさが深い。木の枝にばら撒かれ…

朝日連峰 この秋 7 「ストック」

ストックを、山じいの車の中に忘れてきてしまったようだ。 山じいからのメールで知った。 ぼうっとしていてよくわからなかったけど、ストック、ないなぁとは思っていた。23日夜、鎌倉に帰ったとき、「今日はゆったり館で入浴したからいいや」と、そのままベ…

朝日連峰 この秋 6 「リセット」

・・・1週間後、と書いたのだった。あれは先週の水曜日のことか。予定通り無事に歩いて、4日後には帰っていたのに、どうして今日まで、何も書けなかったのだろう。 あふれる想いの中で、表現不能になってしまっていた。何かを言おうとすると、想いが消滅して…

朝日連峰 この秋 5 「その前夜」

今日は忙しかった。朝から出かけていたので、ルネのことを確認しなかった。ルネは部屋に閉じ込められて、大きな声で鳴けばいいのに、静かなネコなのだ。夕方帰ったら、うっかり閉めたドアの向こうから、しょんぼり出てきた。部屋に粗相していた(T_T)。ごめん…

朝日連峰 この秋 4 「トレーニング山行・西吾妻山」

当初予定していた10月8,9,10日の連休は、ゴスケと西吾妻山に行った。彼は自称東北応援隊で、旅行もこれからは東北にすると言っている。西吾妻山は吾妻連峰の主峰で、いろいろなルートから登れて縦走路もあるのだが、彼の希望に合わせてショートカット登山…

朝日連峰 この秋 3 「障子、障子、と走る」

神頼みだけではダメなので、時々行く体育館に、時間の合間をぬって足しげく通うことにした。体力を増強しようとランニングしていたら、たまに回ってくるトレーナーがアドヴァイスをしてくれて、ジョギングマシンに10%の傾斜をつけて時速6キロで40分歩くこ…

朝日連峰、この秋 2 「神よ宇宙よ力をください」

山じいからの計画は、10月21日(金)に、日暮れ沢から狐穴までの縦走。ここに野遊の歩きたかった、三方境から直角に伸びている天狗への分岐の道が含まれてある。あまり歩かれていないため、道がフカフカだと聞いたが、見渡せばきれいな道だ。ここは通るかわ…

朝日連峰、この秋 1 「あの道を歩いてみたい」

この秋、朝日連峰に再び行けるだろうか。 7月に敗退した無念の朝日連峰。 その前の年、運よく縦走できたあの登山道。 そこから見た三方境からの天狗角力取山への道。 「あそこを歩いてみたい」と思った野遊の気持。 野遊はひたすら朝日連峰に憧れてしまうの…

大黒屋光大夫を辿る旅 35 終章 

個人的には、野遊は、シベリアの日本人墓地にお参りできたこと、ロシアの白夜体験、レッドアロー号で一夜を過ごしたこと、エルミタージュ美術館体験をしたこと、また、光大夫を身近に感じることができたたことなどで、この旅行は有意義だった。この旅行の参…

大黒屋光大夫を辿る旅  34 三重県よ、鈴鹿よ

光大夫が帰国を果たすまでの大活躍は、ロシアという大きな国を相手に、名もない個人が為した、歴史に語られるべき国際交流である。しかし彼の後半生は、それを生かすどころか封じ込められた。それで実際には、光大夫は何の役にも立てなかったのだ。歴史上で…

大黒屋光大夫を辿る旅  33 楽日

8月11日、レストランで晩餐。ご馳走が出たようだけれど、野遊はひと品も覚えていない。毎回毎回、ついにおいしいと思ったお料理はなく。西洋料理も好きだけど、なんというか、このたびの旅行では、というか、ロシアは、というか、どれも味が大雑把で深み…