2011-01-01から1年間の記事一覧

野遊の12月 11「ツアー登山体験談」(6)実力ランダム

じっと稜線伝いの岩の連なりを見ていた野遊、ガイドの「では、後続の方が登ってきますので、頂上が狭いので交代します」の声に、しぶしぶ引き返す。ふと見ると、あの高齢的おじさんが立ち止まっていて、また野遊の前を歩くことになった。それで野遊は、また…

野遊の12月 10「ツアー登山体験談」(5)頂上

頂上直下は狭い細い岩の道で、ガイドが「ストックはしまってください」と呼ばわり、そこで(みなさんしまうのにも時間がかかり)また手間取った。ひょい、ひょい、と行ける道ながら、野遊の前の高齢的おじさんは、「ストックがなくては歩けない」とつぶやき…

野遊の12月 9 「ツアー登山体験談」(4)ちょっと苦しいかも

鎖場があった。一人ずつ登ったが、すごく時間がかかり、待っている者は寒くなってきてガタガタだった。でもじっと待った。隊長ガイドが上から「そこに足をついて」とか指示している。でも鎖と岩にへばりついて、動かなくなってしまう顧客が多く、野遊の前の…

野遊の12月 8 「ツアー登山体験談」(3)昼食

11時過ぎ、早い時間ながら昼食タイムとなる。それはこの先、26人で休憩する場所がないからだそうだ。お昼だ〜うれしいな、何にもないけどうれしいな、という感じで、野遊は出がけに買ったコンビニのおにぎりを食べ、ペットボトルのお茶を飲んだ。皆さんビニ…

野遊の12月 7 「ツアー登山体験談」(2)枯葉の登り

野遊の今回のリュックサックは遠足的に小さいもので、中身は雨具(傘はバスに置いてきた)、防寒具、ヤッケ。 笛つき小型ライト、地図、磁石。お菓子(柚子飴、乾燥果物と予備にソイジョイなど)、昼食(おにぎり2個)、ペットボトルにお茶、そのほかに、ハ…

野遊の12月  6 「ツアー登山体験談」(1)バス

大きなツアー会社(名前は伏せます)で、12月の、とある火曜日、生瀬富士ハイキング。個人で行く場合、車ならともかく、交通機関を使用して行くには面倒なところで、こういう場合、ふもとまで貸切バスが行くのは,ツアーの強みだ。参加者26人満席、スタッ…

野遊の12月  5 「気をつけて行くしかない」

皆様、貴重なご意見の数々をありがとうございました。 どれも参考にさせていただきます。 それで野遊は、来年の6月くらいまでは単独では山に行かず、お行儀よくしていようと思った。 それで夏の登山シーズンが来たら、ここと思っている山に、単独で行こうと…

野遊の12月  4 「寄せられたご意見」

(誤字など多少手入れ。文章短縮m(__)m)26歳男です。ほぼ毎週山に行ってます。単独率は99%。なのであなたの気持わかります。今のままでいいと思います。理解してもらうのはほぼ不可能でしょう。 自分なりに周囲りに気をつかい、山の出来事をできるだけ話す…

野遊の12月  3 「それぞれの勝手」

野遊の二人の姉の夫たち。長兄は登山ブームの年代を、会社の山岳部の部長を勤めた人だが、場所柄活動中心が北アだったようだ。この義兄に連れて行ってもらったことも何度かあるが、野遊が持ちあげられないほどの重いザックを難なく担いで、その足取りの軽や…

野遊の12月  2 「自分サイドの良し悪し」

単独で山に行くなという野遊の親戚たちは、何で単独で行くのかとは聞かない。一方的に単独で山に行くなと言うのだった。ゴスケ(野遊の夫)は、お酒の席で野遊の弟に(弟は教師だが小説家です)、「最近書いているのか」と聞き、「書ける人なのだからもっと…

野遊の12月 1 「家族から単独で山に行くな」と

登山は、グループを組んで行っても、友だちと行っても、それぞれ楽しいが、単独は、また違った味わいがある。ストレスも恐怖心もあるが、自分が無から起こして計画を作成し、行動し遂行する醍醐味は、言葉で表現できないものだ。何日も山にあって、帰りの電…

鈴鹿の鋭鋒 鎌ヶ岳  6/no,6 「ゴミが落ちていた(T_T)」

ラストの章に書くにはふさわしくないけれど・・・鎌が岳の登山道で、缶や、キャンディの包み紙などを多く見た。どうして捨てるのだろう、自分の持って来たものなのに(T_T) 胸が痛い。拾おうかと思ったけれど、キリがなかった。結局そのまま見過ごして通り過ぎた…

鈴鹿の鋭鋒 鎌ヶ岳  5/no,6  昭文社の「山と高原地図」

岳峠から見あげる鎌が岳はやや左手にある。そちらに向かって進む稜線は、荒れているそうで通行されていない。いったん右手のカズラ谷コースに下山して登り返し、それからまっすぐ鎌が岳に向かって行く。ガイドブックでは説明されてあるが、地図は、最近のも…

鈴鹿の鋭鋒 鎌が岳 4/no.6 「行程」

(何なんですか、写真を入れたらタイトルが奇妙なことになってしまって(・・?)これは「鎌ヶ岳no,4」ですからね)11月14日(月)、6時半、近鉄湯の山線湯の山駅にて山友達と待ち合わせ。 友は名古屋在住で、車で1時間ほどで湯の山。 野遊は12,13日は鈴鹿でお…

*1322479535*[山]鈴鹿の鋭鋒 鎌ヶ岳 3/no,6 「真っ先に惹かれる」 鎌尾根から鎌が岳に行くのでなければ意味ない。(と野遊は思った)北アの槍ヶ岳、北鎌尾根を意識して命名されたかとも言われる鎌が岳、鎌尾根。 1月、鈴鹿に仕事を持つ野遊は、その帰り、雪…

鈴鹿の鋭鋒 鎌ヶ岳  2/no,6 「個性豊かな兄弟たち」

鈴鹿山脈は、どういうわけか、一気に縦走ができないことになっている。1山1山の登山だ。稜線に水がないこともあり、小屋が建たなかったのだろう。それに伴って、つなぎの稜線への整備が施されなかったのだろう。そのせいもあって、鈴鹿の山は1山1山にファン…

鈴鹿の鋭鋒 鎌ヶ岳  1/no,6 「ゆかしい国、鈴鹿」

鈴鹿山脈。三重県の北部、山域は南北に伸びた標高1000m前後の山の連なりで、縦長に三重県のほぼ3分の1を占める。山脈の北限は関が原だが、三重県で区切れば烏帽子岳、三国岳。南限は滋賀県との境の油日岳とか、内側に入って旗山になる。 本州の最も狭い部分…

朝日連峰 この秋 25 終章「志田周子」

大井沢の温泉ゆったり館のロビーに、志田周子(ちかこ)さんの等身大の写真が掲げられてある。山じいが山岳会の友と日暮れ沢に車を取りに行っている間、野遊は7月に宿泊した橋本荘に行ってご挨拶をし、そのあとロビーで待ちながら、この写真の隣に張られて…

朝日連峰 この秋 24 「大井沢」

大井沢には志田という苗字が多い。それは遠く、平将門の時代にさかのぼるそうだ。心ならずも朝敵とされて敗れた将門は戦死し、一族郎党処刑されたが、残党は、福島の相馬郡へ逃げ、追撃されて出羽の国(山形県)へと逃げたという。1隊は二手に別れ、さらに…

朝日連峰 この秋 23 「ミキ尾根」

朝日連峰は主稜線が北から南へ伸び、「東北随一の長大な縦走路」と言われる。その中央に派生した両尾根はただの下山道ではなく、いくつかの山を連ねて長い。北南東西と十文字になっている連峰だ。三方境から西へ、大井沢に延びる角力尾根の、対角線上に連な…

朝日連峰 この秋 22 「スーパー林道」

どこもかしこもスーパー林道、何々ハイウェイ、乗り物を降りればそこはサミットという山も増えている。ロープウェイやリフトの道を登って、あるいはそれらを使用して、反対側をバスで降りるという山もある。そうなればそれで旅行をする層も当然増えて、いい…

朝日連峰 この秋 21 「人為的施術」

10月23日(日)、天狗から大井沢へと野遊が歩いた道は、前日整備された道で、泥グチヤになるところは木がたくさん敷かれ、水路も作られてあった。この時期に整備すると、その上に雪が積もって、道が締まるそうだ。 稜線上では、網が張られてあり、そこか…

朝日連峰 この秋 20 「マタギ」

マタギとカタカナで書くが、漢字では又鬼だ。今は漢字は使用されていないようだけど。マタギは差別用語だという意見も出ている。でも、猟師と言ってしまうと、あんまりいっしょくたすぎると思う。マタギを差別用語だなんて言わないでほしい。そう言う人は、…

朝日連峰 この秋 19 「朝日連峰よ高嶺の花よ」

「1870m朝日連峰は、東北の中でも最も原始的な面影を残している山塊です。豊かな渓谷がおりなす山岳形態。そのスケールは、南北60キロ、東西60キロに及びます。深く濃く、伸びやかに横たわるその姿は、東北のアルプスとも呼ばれています。山腹はブナの広大…

朝日連峰 この秋 18 「きのこ」

山を愛す西川の山岳会の方々、この山岳会は、山形県の西川町(にしかわまち)にある西川山岳会という。西川町は月山と寒河江、葉山と大井沢を結んだちょうど真ん中に当たるところの町だ。出羽三山と朝日連峰の間にある町だ。仲間が集う「芋煮会」とは素朴な…

朝日連峰 この秋 17 「想いひとつを友にして」

10月22日(土)の夕方からの、山岳会の面々が天狗の小屋の2階に集う、「芋煮会」という宴会。その折、竜の小屋の遠藤氏が言った言葉。 「地図は読むものだ」これは、「地形を読め」ということ。自分の行く登山道だけを見ていてはダメということ。それが…

朝日連峰 この秋 16 「オマケ登山」

天狗さんに挨拶した。そしたらな、な、なんと、なんと!天狗さん、野遊を見て、「ああ、志田さんの彼女ね」と言う。 チガイマス!と言うと、わかってるわかってますよと笑い、わ、わ、わ、忘れちゃったのですか、と聞くと、覚えてる覚えてますよとまた笑う。…

朝日連峰 この秋 15 「聖者たち」

すばらしいお天気になって、陽がさんさんと輝いている。今から障子ヶ岳を往復したい。でも13時を過ぎているから野遊にはムリ。でも障子池の手前までなら行けるだろう。行こうか。と思った。すると山じいのことが思い浮かび、野遊が「早くに天狗に着けたら…

朝日連峰 この秋 14 「角力尾根」(すもうおね)

初めて歩く天狗への尾根道で、野遊はひとりぼっちになった。にわかに寂しくなった。で、トボトボ歩いて行くと、もうだれかを追いかけなくてもいいのだ、ということがわかってきて、にわかに楽しくなってきた。最も歩きたいと願っていた道で、野遊は解放され…

朝日連峰 この秋 13 「ミナグロ」

10月22日(土) 霧雨か。ライトを頭につけず、手で握って足元だけを微かに照らして階下に行き、山じいは本当にいるのだろうか、もしかしてあれは山の妖怪、もとい妖精で、どっかに消えてしまったのではないかな、というほど静かだったけれど、ライトの明かりを…