2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

鎌倉駅前の交差点物語(14)本題1

音声キーボードを足指で打ちながら、千一は訴える。少しずつ、少しずつ、表現が成立していく。千一は緊張すると、まぶたが下がってしまうので、何度も、何度も、まぶたを拭かなければならない。「目、目」と彼が言うたび、わたしはまぶたをタオルで拭き、ゆ…

鎌倉駅前の交差点物語(13)会合

案内された会議室に、担当警察官が3名、(紹介されたが肩書きは忘れた)(名刺交換があったので持ってはいる)厳粛な面持ちで着席。 向かい側に着席しているのは鎌倉職員3名と千一、わたしの5名だ。 警察官の挨拶に、まずは職員が応じる。そして千一が職…

鎌倉駅前の交差点物語(12)横浜県警にて

着いた。約束の時間は14時だったかな。車を降りて見まわすと、見覚えがあった。数年前、劇団てんびん座の公演で、拉致についての作品を上演するとき、警察に行く用事ができてしまって、相鉄本多のガードマン方と共に車で行った。ああ懐かしいなぁとは別に…

鎌倉駅前の交差点物語(11)車中の雑談

横浜に行くまでに、特に渋滞はなかったが、すいすいというほどでもなく、50分くらいかかった。 後部座席には職員と千一とわたしがいた。みんな黙っている。何のために沈黙か。わたしは勝手におしゃべり。千さんは普通に会話して通じるということをお知らせ…

鎌倉駅前交差点物語(10)神奈川県警へ

それは昨年2009年の10月のことだ。千一から電話が入った。音声キーボードで、 「アシタ 13時二 カマクラ シヤクショ二 キテクダサイ」と。 あの交差点について、神奈川県警に出向いて行って、じかに話すことになったという。 市の職員が、毎度毎度の千一の…

お正月山行

奥多摩の高水三山を選んだ。軍畑から高源寺を経て常福院、高水山、岩茸石山、惣岳山、御嶽へ。記憶も煙る昔の2月、山岳部の支部山行で歩いたことのあるコースだ。ある程度歩けて、ある程度景色も楽しめて、それでいて雪の危険がないところを、ということで選…