2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧
朝日連峰縦走の記録野遊版2010年7月23日(金)〜28日(水)。夜行4泊5日(中一日停滞)7月23日(金)晴れ。 東京丸の内北口発 夜行高速バス鶴岡、酒田行き23:15s, 7月24日(土)鶴岡7:00a, (Mrドーナツにて朝食) 路線バス大鳥行き7:42s, 大鳥(朝日屋旅館前)8:55a,(…
野遊が山形駅に着いたのは、直射の西日も和らいだ18:30。 1時間半歩いたことになる。実に予定外の無駄な行動だった。ビジネスホテルはいろいろあったが、駅の近くにした。料金とか、もう比べるゆとりはなかった。とにかく疲れて、早く横になりたい。カウン…
高速を降りると車内アナウンスが、改まった調子で、大変お待たせしましたと言い、ご乗車ありがとうございますと言い、お忘れ物のないようにとか、長々しゃべっているので、終点かと思った。少年も運転手さんに「気をつけて行けよ」と言われて下車したので、野…
月山登山口で下車すると、ここにも人影はあまりなく、広い道路の向こう側におみやげ物売り場がある。午後の日差しは真っ向からジリジリ照らし、野遊は喉が乾いた。さっき、といっても1時間も前になるが、大井沢のバス停で、銀玉水で汲んだ残りの水を飲み、あ…
朝は4:00ころ目覚めた。下界にいるのだなぁとしみじみ思った。体が重い、足が痛い、顔がむくんでいる。下山日の予定外の行動も、朝になって考えれば、バスの運転手さんも交番のオマワリドンも関係なく、すべて自分に帰するものであった。 まわりの助言に惑わ…
そこは「ゆったり館」という温泉で、お土産売り場と、運動場のように広い駐車場とバス停がある。バス停で調べてみると、いろいろな路線バスが出ているようで、タキタロウ組もあーだこーだとアドヴァイスしてくれるのだが、彼らは鶴岡の人なので、ざっくりと…
小寺への道も、ほかより容易というだけで結構長かった。野遊には指導標か目印がもう少しほしかった。いつまでも黙々と下山路が続き、最盛期なのに登山者に会わない。 1時間ほど下ると、タキタロウ組のひとりが休んでいた。一緒に下りだすと、ほかの人たちに…
大朝日岳の居心地のいいサミットにしばし居座り、静かに野遊はそこを辞した。静かに、それはおごそかな気分というのかもしれない。 下りは2名の登山者とすれ違い、朝日肩の小屋へ戻った。そこに到着したのが、竜の小屋で騒いでいたタキタロウ組だった。何と…
大朝日岳の登山路は、何か異質の感じがした。と、書いてみたいけれど、そんなことは全くなかった。ただの、カウントできないほど体験してきた「よくある登山路」だった。 だれかが降りてくる。二人連れだ。すれ違うときに声をかけられた。「早いですね!」。見…
以東小屋から来た5人組は円座になって食後のアルコールタイムを楽しんでいたが、これまた酔いが入ってか小屋中に響く大声でしゃべっては笑い、笑ってはしゃべり、20人のツアーよりにぎやかで、にぎやか競争のようになった。時間は19時をまわっている。彼らが…
竜門山の頂上に立って、野遊は、信じていいのか?というほどの感慨に包まれた。ガスがあがり、向こうの峰峯がまるでBGMを響かせながら、幕が開くように展開しだしたのだ。冷たさを秘めた陽が輝く。行くべき峰がガスの向こうから一つ、また一つと、これですよ…
今のところ今日の竜の小屋の宿泊客は、連泊で以東岳を往復したご夫婦と、以東小屋からやってきた5人組。それと野遊の8人だ。ご夫婦は、昨日日暮れ沢小屋に車を置いて竜門山、今日は以東岳往復(何も見えなかったそうだ、ヒメサユリも(ToT))で、明日は朝日岳、…
今日は一日竜の小屋でのんびり過ごすのだから、白く煙った窓の景色に目をやりながら、この場を借りて、しばしゆっくり、野遊は装備などについて語りますかな。装備は細かい。リストアップするとA4横罫紙に2列でもいっぱい。 ザックは25ℓ。雨具防寒具は前述…
4時過ぎ、気配に目ざめた。雨の音。頭上の窓をのぞいても、何も見えない。こんな中歩くのやめた。皆さんせっせと煮炊きを始める。野遊はインナーの上に座ったまま動かない。横たわっていたかったが、就寝していると思われたら気になるだろうから起きていた。…
登山客はご夫婦、単独、階下でおしゃべりしていた男性4人、それと野遊の8人だ。4人組がガサゴソ上ってきて寝静まると、そのあとは物音一つ聞こえない夜となった。野遊はいつものごとく寝つきが悪く、イビキも聞こえてきて完全に寝そびれた。そのうち寒くなっ…
竜の小屋16:10着。小屋のそばに豊富な水場があり、正面に不思議な畑があった。畑ではなく、バイオトイレの一環だ。重い戸を開けて中に入ると、右手はトイレスペース、左手は土間になっていた。土間のほうに進むと、左手は上がりがまちから階段になっていて(…
寒江山の頂上は立派な標識もあり、安堵感があった。素晴らしい景色を眺めおろしながらラリホー!と叫んだ。先ほどの彼らはもう姿が見えない。狐穴小屋はここからは山陰になっていて見えないが、そちらに向かっているのだろう。あの速度だ、もう着くころだろ…
歩きだすと、ゆるく増していく高度と共に展望が開けてきた(^.^)三方境にたたずんで天狗角力取山への道筋を見渡す。心が奪われて、しばし見とれた。左のはるか向こうに見える、藍色と白の段だら模様の、姿のいい山は月山だ。そのさらに向こうに浮かぶのは鳥海…
狐穴小屋は大鳥池小屋よりもずっとこじんまりとした避難小屋だ。戸を開けると、すぐ右手に、昔の農家のような家庭的な感じのトイレどころがあった。だれもいないので外に出て、そばの水場で休んだ。靴を脱ぎ、素足になって腰かけ、水を補給した。お昼はソイ…
行く先が見渡せるって、なんと安堵感のあるものだろう。ガスの上方からチラチラのぞいていた陽が、今は全部降り注いでいる。見まわした。きれいな道だ。長く続いている。広い。大きい。おんもりと雄大だ。 草原のど真ん中! 緑に混じって、色とりどりの高山…
遭難碑のある所、以東小屋への下りが始まる手前の左側に直角に、登山道はあった。それはガスで視界の狭まった足元をよく探して、出てきた道だ。「らしく」出てきたならともかく、道幅が半分になった急な下りの直角曲がりで、正道と思えずに思案してしまうほ…
ガスは濃く立ちこめて、騒がしく流れている。歩くほどに風が強まってきた。うっかりすると岩に叩きつけられる。髪が風の方向に顔面を覆う。しばっても風にほじくり返されるようにたちまち踊りだし、顔半分に張りついてしまう。目が片方しか使えない。手で押…
オツボ峰を越えたあたりで、岩伝いの道の向こうから二人連れがやってきてすれ違った。「ア」と、向こうから声を発した。それは大鳥池小屋から、早立ちした2名だった。直登コースで以東岳に登って、オツボ経由でマイカーを置いてある泡滝に下るらしい。こうい…
7月24日(土)、夜中雨模様だった。4時過ぎ、やはり外は白く煙っている。がっかりしてしばらくじっとしていた。二人組は外で朝食をすませ、4時に出かけて行った。この小屋は二階で火の使用は禁止されている。野遊の朝食は、昨日鶴岡で買ったおにぎり弁当がま…
背の高いブナの樹林帯を登っていく。左手に続く渓流が、だんだん下がっていく。橋を渡り人気のない道は続いていく。七つ滝は名所のようだが、滝見物の人などいなかった。むしろ荒れていて、腐った落ち葉とクモの巣だらけという感じで、とても分け入っていく…
背の高いブナの樹林帯を登っていく。左手に続く渓流が、だんだん下がっていく。 橋を渡って、人気のない道は続いていく。七つ滝は名所のようだが、滝見物の人などいなかった。むしろ荒れていて、腐った落ち葉とクモの巣だらけという感じで、とても分け入って…