2017 秋のヒマラヤトレッキング 5 王子

ryo-rya2017-11-27

ありがたいことにプーコは予定より少し早く出産した。
ありがたいことに野遊は、プーコの退院後3週間もの期間を得て、しあわせな気分で、かわいいプーコと、かわいい赤ちゃんのそばにいられた。
毎日ゴスケ、影武者、プーコたちと食卓を囲み、野遊は自分が出産したときの母を思い出して情緒に揺すられた。

赤ちゃんは美しい王子で、野遊は、いつも山に出かけるとき、一応遺書を書いていくのだが、書き直した。
「野遊が帰らぬ人となったら、野遊が持っているものすべて、王子にあげる」
これだけ。簡単な遺書となった。これからもずっとこれを使おう。

ヒマラヤ準備の手が回らずに、夜中に、ふとドキドキすることはあったが、準備期間の日程表から大きく遅れないように心がけた。ゆとりなく出かければその分だけ現地で苦労を担うことになるから慎重にせねば。

9月はすぐに過ぎ、もう出発準備に追われる10月がやって来た。
チーチャからのメールでは、仕事の引継ぎが忙しいけれど、そのあとの楽しみがあるので、がんばっぺ!と思っているそうだ。
そうか、彼女は楽しみなんだ。よかった。