ミヤマキリシマ山行(17)坊ガツル再び。また会おうとも。

入山とは反対方向から坊ガツルに出た。避難小屋が建っている。ガスの中にテントがポチポチ。雨があがった。

人工水場に行こうとするも、手前の少し下った川に行こうということになり、ズルズル下って行って、ズボンを拭いた。防水スプレーの威力で、靴にもザックにも雨具にも水は染み通っていない。タオルに水を含めジャブジャブ。Mが手伝ってくれた。白いタオルが雑巾以下になった。まるで子供が父親に拭いてもらっているようなカッコウで、突っ立ている野遊の気分も子供^_^;

それからまたズルズル登って近くの避難小屋に入った。野遊は朝からトイレに行っていなかったので、テント場のそばにあるコンクリート造りのトイレに行ってから、避難小屋に入った。女性と男性って、こういうところにも差が出るんだよね。

避難小屋はきれいで、どうやら昨日から宿泊している感じの人もいた。シュラフのそばに、お酒のパックが転がっていた。休憩に立ち寄ったらしい人たちもいた。だれとでもMとSは、おっとりとなじんでいる。

Mがラジウス(なんて言わないのかな、ストーブでしょうか)で水を沸かし、コーヒーをいれてくれた。野遊はパック入りの一口サイズの豆菓子を配った。Sは一昨日ご馳走になったオレンジを、さあさあ全部食べましょうと出してくれた。Mは今朝、法華院山荘で注文したお弁当。Sは一昨日基山パーキングで購入しておいたお稲荷さん。(まっ、暑くなかったからもったのでしょうね^_^;)、野遊は毎度のソイジョイ

えっいいのそんな棒みたいなので、おいなりさん食べて食べてとSが言ってくれたけど、ありがと、でもいいんだってば。食べる物も身につける物も、みんなそれぞれの体験進行過程があるのだな。昔の山岳部での登山では、すべて統一で、それが初めの一歩だった。そこから成長発展していくものなのだった。野遊はことあるごとに、自分を鍛えてくれたCCECの山岳部を思い出している。

そして楽しい?昼食会が終わった。熱いコーヒーも飲んだし、オレンジも食べたし、さて出発。で、ここで別れのときがくる。MとSは、坊ガツルから長者原に戻り、車を運転して温泉にでも寄って、帰宅するのだ。野遊は法華院山荘に連泊するのだ。

ありがとう。さようなら。ずっと見渡せる坊ガツルでふり返ると、ずんずん進む彼らは小さい後姿を残し、やがて消えていった。野遊は思わず手を合わせ、ちょっと泣きそうになった。MとSが歌った坊ガツル恋歌が聞こえてくる・・・ああ。優しい優しい坊ガツルよ。