ミヤマキリシマ山行(26)オバケが出そうな赤川下山道

下ってしまってからふり返れば普通の歩行で1時間半くらいの下山道だったが(15時20分〜16時50分)、表側?と比べて登山者が少ないからか、なんとなく荒れていた。雨のあとで足跡もないし。

ざっとわかるけど、どこまでも続いて行くと、「ここでよかったのかなぁ。途中で間違えていないだろうな」とか、余計な不安がよぎる。突然背の高さほどの樹林帯を、まるでトンネルをくぐるように通り抜けるときも、下をよく見て、「道になっている。ここでいいのだ」と思いながら行くのだが、出入り口に道標があればいいのにと思う。せめて赤い布でも巻いてほしい。

その(何箇所かあったが)、日が差し込まないほどのうっそうとした樹林トンネルで、夕方になってくるし、獣さんに出会う可能性高いし、歌を歌うには疲れるし、でもひっきりなしに独り言を言いながら歩いた。

石や木の根も放ったらかし的で、なんか下の山小屋(赤川温泉山荘)の人が、この道ですよ、と、呼んでくれていない気がした。
表側の整備とは雲泥の差で、これはどうしたことだろう。

1箇所、登山者がつけてくれたのだろう、木の上のほうに色のあせたボロボロの赤い布が引っかかるようについているのを見たときは、「よかった。ともかくこの道は歩行道なのだ」「けれど、あの高さは雪道コースかもしれない」「ほかに道があるとしたらどうしよう」などなどあれこれ思った。

着くのかな、戻ってどこかからやり直しかな、と思いながらも地図と磁石で結構必死になって下り続けた。16時をまわったころから、道は少し平坦になっていき、やっぱりここでいいんだと言い聞かせて歩いた。

樹林の向こうはまだ赤々と日が射しているけれど、もうコワイ。出発時の雨でぐずぐずしていたツケで、いそげ、いそげ。でもこんなボコボコ道では、トレイルランにもなれない。せめて17時前には着きたいと足を速め、ポンプで水を引くような音が聞こえだしたときはほっとし、人の気配のあるる道に出たときはまたほっとした。ここまで来ると木々の密集もなく、陽は明るくまぶしいほどだった。7時10分前に到着した。