朝日連峰縦走(3)憧れの朝日連峰!

朝日連峰に行けるかもしれないと思ったとき、不思議なエネルギーがみなぎってくるのを覚えた。行けるかもしれない、行こうと思ったとき、これは酔っ払ったときの錯覚のようなものかもしれないとも思った。

今生であきらめていたはずの山だった。山岳部時代なら仲間と行けたかもしれないが、個人になってからは周囲の友達や家族と組むので、野遊がリーダーなのだ。だから今から朝日はムリだという思いだった。単独は、知っている山しか行けないと思い込んでいたし。

それが知らない九州の山にも行ったし、だから朝日だって行けるはずだと、このたびの野遊は本当に酔っ払ったような勢いで大胆になったのだと思う。

本箱を探すと、朝日連峰の地図、ガイドブックがそろっていた。1996年版だ。あ、そうだ自分が購入したものだ。この時期も、野遊は朝日を意識していたのかと改めて驚いた。

地図を眺めているうちに、益々気持が高揚していった。それもきっと大げさだろうという気持が片隅にあった。だって行けるじゃないのと逡巡した。

朝日連峰のノーマルルート縦走は、特に大変なところ、危険なところがない。山小屋も水もふんだんにある感じ。(飯豊は水が少なく、ぼうふらの浮いているような池の水を沸騰させて使ったのを記憶している)何で今までムリだと思い込んでいたのかなぁと高揚した心で思ったものだ。

今夏は出羽三山縦走の話が出ていて、一緒に行く予定のゴスケ(夫)が「だったら自分も朝日連峰に行こうかな」と言った。ゴスケも行くとなると夏休みだけになり、日程が狭まる。それに食料が燃料ごと全然違ってくる。やがてゴスケは「えっ、無人小屋だって? 所帯道具1式持つのなんかムリだ。ちゃんとご飯が食べられなければ嫌だ」と言い、退却してしまった。

出羽三山は8月に行こうということで<(_ _)>

単独で会いに行く。憧れの朝日連峰