朝日連峰縦走(9)オツボ峰で「ひめさゆり」に会う

7月24日(土)、夜中雨模様だった。4時過ぎ、やはり外は白く煙っている。がっかりしてしばらくじっとしていた。二人組は外で朝食をすませ、4時に出かけて行った。この小屋は二階で火の使用は禁止されている。野遊の朝食は、昨日鶴岡で買ったおにぎり弁当がまだ残っていた。昨日の昼食、夕食と、二食買ったのだが、食べきれていない。夏だし、今日からは自炊と思っていたのだが、食べなくてはね。何しろゴミは持ち帰りだから。

昨日作っておいたお茶を飲み、外へ出た。雨があがっている♪
藤井氏が窓から顔を出し、
「乱気流が出ているので、今日は持つかもしれないが、明日は荒れるでしょう」と、予報を知らせてくださった。野遊はコピーしてきたガイドブックに「藤井孝男」のサインをいただいた。ツアー5人組が外でたむろっている。一足先に出発。5時50分。

大鳥池の制水門(出水口)であるコンクリートの上を歩き(ここら辺は昨日よく見ておいたのでキョロキョロしなかった)しばし行くと、コースが分かれる。直登コースとオツボコースだ。オツボを行く。

傾斜のある潅木帯を登ると、ガスの向こうに大きな山が見えて、あれが以東さんかなぁと思ったが、三角峰だった。そこをトラバースする。左手に以東岳の雄姿があるそうだが見えない。

やっと来たのに、朝日連峰のイジワル!バカバカバカ〜っと、あらん限りの悪口雑言を叫びながら登った。

そしたらお花畑が広がった。うわぁきれい。朝日さんありがとうと叫んだ。それほどゆっくり歩いていたわけです(^.^)

ハイマツ帯や花崗岩を越していくと、見おろす雪渓の上部に・・・ついに見た。ひめさゆり。可愛いピンクの姫小百合。それが涼しい雪渓のほうを向いて咲いている。こちらからは後姿だ。こっち向いてよ・・・と思いながら歩いていたら、あちこちから姫小百合の可憐な姿が現れだした。夢にまで見たこの一瞬とは、こういうことを言うのだろう。一緒に咲いているニッコウキスゲとの絶妙なコントラスト。あの喜びは言葉で言えない。