安達太良連峰(4)鉄山

こんなに親しまれているはずの安達太良連峰のメイン縦走路が、昔日の丹沢大倉尾根のように、剥げ落ちた土崖を両サイドの壁にして、削り取られ続けるデコボコズルズルの泥道のままでいいのだろうか。登りにくそうなところにすでに何本か横道が発生していた。

山道をいじるのはよしあしで、登山者を迎える道は正道を確保するために整備が必要だ。このままでは山が崩れていく。福島県警林野庁か近場の山小屋の人たちか、だれも何もしないのかなぁ!

鉄山の避難小屋周辺で、また登山者たちが増えてきた。それは安達太良方面から来て往復する人たちが大部分のようだ。不思議な流行だ。

鉄山の避難小屋は外から見るときれいで、ちょっと中を見たい。出入り口にいる方に「戸を開けてもいいですか」と聞くと、「どうぞ。驚きますよ」と言われた。きれいだからかな、ドキドキ。ガラリ。ぎょ\(◎o◎)/!

普通の大きさの小屋の、板の間と上がりがまちと土間と、すべての空間に人がいて、いっせいにこちらを見ている。「もう入れませんよ〜」と言う声。昼食を喫しているようだ。なんとも言えぬ人いきれと食べ物のにおい。アハハと出入り口にいた人が笑っている。

団体ツアーだそうだ。で、入りそこねたほかの団体や登山者たちが、外でくつろいでいるのだった。ガスと風が冷たいので、みなさん、空いていたら中には入って休みたいところかもしれない。

鉄山の頂上は縦走路からちょっと外れたところにあって、立派なケルン的道標が建っていた。そのまま続いている道を行くと、やがて道がない。またうろうろしてしまった。道がないといっても、踏み跡として人の通ったらしい跡はあるし、新しい缶ジュースなんかが岩にはさんであったりする。いけないですね。

ほかの登山者も一緒に迷って、ワイワイやってから避難小屋近くに戻り、その右側に降りていく道筋に赤いペンキ印が出てきて、そこだとわかる。つまりさっき間違えた道は、ほかの登山者たちも間違えて行こうとして、人跡を残すのだろう。で、このたびのようにガスが多い日などは、なおさら迷いやすくなってしまうのだ。

地図はここら辺の表現がざっくりしているし、どうやって知るのだ。ま、そのまま突っ切ったとしても、難路をガラガラ降りればやがて同じ道に出くわすのだが。

よく地図を見ればちょこっとわかるけど、避難小屋と鉄山と縦走路との間隔が実際と比べて正確でない(現在もっともポピュラーな地図)。実際はほとんど避難小屋まで戻っているのに、地図では小屋から相当行った先のような感じになっている。

また、ガイドブックには「鉄山の頂を西に巻いて」と書かれてあるが、もう1歩具体的な解説がほしい。というか、たった一つの道標があれば、これらをたちまちに理解するのだ。道がわからなくなると、たいてい(野遊は)まずはウロチョコして、それでもわからないと地図を見て、解説を見たりもするが、最初は自分勝手に探してしまうのだ。野遊の迂闊さもいけないのだけど・・・
わかりきったところに道標を立てるよりも、こういうところに立ててほしいんだってば!