朝日連峰 障子ヶ岳 24「山屋の判断」

ブルーベリー氏。
野遊の到着が遅いので、引き返したかもしれないと思ったそうだが、17時、二人組が小屋に到着して、あとから一人来ると聞き、あ、あの人だと察知した。障子ヶ岳の手前。微妙な時間、微妙な地点であると思ったそうだ。障子を越えたと聞いたなら、こちらに向かうしかないだろうが、越える前だったので、こちらに向かっているかどうか不明、引き返しているかもしれない。さてどうすべきか。ブルーベリー氏は、朝方野遊のヘタクソな歩き方を実際に見ているので、時を待たずに迎えに行くほうを選んだ。ブルーベリー氏は、野遊が引き返しているかもしれないということも視野に入れて、天狗の小屋から、ふもとまで駆け抜ける気だったのだ。


天狗さん。
二人組とすれ違ったのが障子を越えた地点だったなら、やがて到着するだろうと待っていただろう。暗くなりかけても到着しなかったなら、迎えに行っただろう。越えていない地点だったので、引き返したかという予想も入れた上で、元締めの志田氏(菊宏さんだろう)に連絡を取り救助体勢を取ったのだろう。
もし見つからなったらどうするか。それは野遊がどこかから落ちたという判断を下すしかない。また、落ちたのでなくとも、野遊がもう歩けない状態になっていることも想定し、その場合、天狗さんは担いで降りるつもりだったのだ。

ここまで考えてこの方々は行動していたのだ。