野遊の12月 1 「家族から単独で山に行くな」と
登山は、グループを組んで行っても、友だちと行っても、それぞれ楽しいが、単独は、また違った味わいがある。
ストレスも恐怖心もあるが、自分が無から起こして計画を作成し、行動し遂行する醍醐味は、言葉で表現できないものだ。
何日も山にあって、帰りの電車の中で、遠くに浮かぶ山々を眺め「終わった」「歩いた」という思いに、目頭が熱くなることがあり、それは友だちと楽しく登るのとは異質の感慨である。
特に憧れている山に行くときは、たった一人で会いに行きたいと思うことがあり、また、日数が必要だったり、遠かったりすると、友だちと日程が合わないこともあり、それらを妥協し合いながら登るのが足かせになることもある。
それに野遊の、今のところの山関係友達は、野遊より歩ける人はいないのだ。以前はいっぱいいたが、みんな引退してしまって。旅行友達、お茶友達、ショッピング友達は、野遊の好むと好まざるの関わらず、地元に生まれ住んでいるお蔭様か、いっぱいいる。野遊、友達に恵まれているのだが。
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昔、野遊が若かったころ、優秀な山岳部の先輩方に恵まれ、地図読み、天気図取り、歩きながら実践での道選びや歩き方など鍛えられたお蔭様で、いつのまにか個人山行ができるようになっていった。
でも、失敗はどこにでも潜んでいて、完璧なる登山などしたことがないと思ってはいる。どんな山に行くときも(複数で行くときも)出かけるときはコワイ。遺書に代わるものを、いつも机の引き出しに潜ませているが、山で死んだりしないようにと思っている。
遭難は人に迷惑をかけるし、山を汚すからね・・・
偉そうに何を言っても、野遊だけでなく、どんな人も、危険安全紙一重なんですよね、登山は。自然が相手だから。
しかしそう言うなら、町を歩いていたって危険はどこにでもあるもので、気をつけて歩く山のほうが、危険度は低いかもしれないわよ。
何をしても、何かをしようと行動する以上、しないよりは危険に出会う確率が高くなるのは当然で。それがイヤなら、おうちで丸まっていなさい。
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最近、家族からクレームが入った。
ひとりで山に行くなと。
野遊の身を思ってくれる家族、ありがたい(;_:)
でも余計なお世話じゃ・・・申し訳ないけど
野遊のきょうだいの忘年会があり、それぞれ連れあいとか子どもなどもいてにぎやかな会食の席で、野遊の夫が、野遊の姉とその夫たちに、「言ってやってください、言って、言って」と騒いでいた(>_<)恥ずかしいねぇ〜もう・・・
夫と山に行くとなると、ロープウェイがある山がいいとか、帰りは温泉で市街観光しようとか、旅行的になるのだ。それはそれでいいけど、野遊の登山はどうなるの・・・
野遊、きっとわがままなんですね・・・どうすべきか。
単独、やめるべきか。それって、立派な生き方か。