野遊の12月 12「ツアー登山体験談」(7)ガイドが滑り落ちた

下山は頂上から尾根道を袋田の滝まで降りるのだが、このたびは「かずま」というところから、林道に最も近い道を伝って降りることになっていた。野遊の持参していった地図には、その下山路は示されていなくて、道は袋田の滝に向かって尾根伝いに下山していくものだったが、朝、バスの中で渡されたコピーの地図とはそこが違っていた。きっと近道を選んだのだろう。

山側にロープが、長く張られてあるが、足元は狭く滑りやすくて、先頭ガイドが「滑るので気をつけて〜」と言った途端、滑って落ちた。
一瞬だったのでみんな咄嗟には意味がわからず、じっと見ていた。山腹の斜面を俵みたいに横向きにゴロゴロとすごい速度で落ちて、本人、ナントカしようと暴れたのか、やがて上下もんどりうって二回転していた。


それを見た顧客が驚いてロープにしがみつき、急に張ったロープに跳ね返されて後ろの女性顧客が落ちた。彼女は尻セードのような格好でゆるゆると落ちて、止まったかと思うとまた滑り。先頭ガイドの姿は見えないし。いやはや大変なもんに参加しちゃったなぁと思った。

しんがりの若いガイドがケータイで何か騒いでいた。会社にか。やがて落ちたガイドと顧客が登ってくる姿が見え、事無きを得た。待っている間寒くなってきて、リュックからコートを出したかったが、しんがりガイドが「だれも動かないでください、瞬き以外は動かないで!」と必死の様子なので仕方ない、静かにしていた。顧客は実は、瞬き以外に、口は動かしていたと思う。小声で何かささやき合ったりしていた(´ワ`*)

先頭ガイドは顔面血だらけだったが、どうやらすりむき傷のようで、拭くと傷は顎のあたりだけだった。みんなを心配させまいと、少し引きずる足を隠すようにして歩き、ふもとに降り立った。

コワイですね、ツアーも^_^;
でも、無事だったのでよかった。