朝日連峰北方 1、ほころびを整備して出発

想いは朝日。目指すは障子ヶ岳。
昨夏は登り早々でヘタレ、フラフラで超えた障子だった。
もっと行きたいけれどそれは不遜、次の日に稜線に出る予定を返上し、天狗の小屋から大井沢に戻った。そして再び障子を超えたいと思い続けた。

夏は休暇が取りやすく、梅雨明けを狙えば天候は安定している。昨夏はそれを焦った。梅雨明け宣言が予定の2週間早まり、急いで準備したことが第1の躓き。加えて東北大震災に腰砕け、半年間も山を歩く気力がないまま過ごした。行こうと思ってから6月に日光男体山をトレーニング山行しただけだ。もう1度トレーニングせねばと思っていたところ、梅雨がとっとと明けてしまったのだった。

前の年はずいぶん以前から用意周到、心して泡滝から入山、大朝日を往復して小寺に抜けた。これと定めた山行は、心にもゆとりを持ち、充分に練って支度に余念がなかったのだが。

でもこれらはまことに些細なことで、ほかの山行でも、このくらいの小さな起伏はあるのだった。予定を返上したから、これらの事態を原因の一つとして思い起こすに過ぎない。しかしこういった些細なことが、どこかで思わぬ伏兵となってタックルをかけてくるというのも事実である。

と考えれば、このほかにあと二つ三つ、小さな思い当たることがあり、それも失態と言えるだろう。(登山開始しながらその都度書いていこう)

これらの失態をまずはクリアしていかねばならない。そうでなくとも違うところから、思わぬ小さなほころびはあるのだろうが。

夏は避けよう。朝日連峰は標高が2,000m足らずのため、地獄的に暑い。けれど・・・
朝日は交通の便がよくなく、下記の限られたシーズンしかバスが通わないところもある。
それにできることなら人通りのいい時期のほうがより安全だ。どう選択するか、便利か、暑さ対策か。

考慮の末、10月の紅葉を待たずに9月にした。紅葉の時季ならそれなりに人通りもあるだろうが、寒くもなる。野遊は荷が持てない。障子を行ってそのまま帰ってくることは選択肢にない。だから荷が重くなる。

予備日も入れて5日分の食糧。寝具以外にビバークシュラフは日帰りハイキングにも必携する。水2,5ℓ、麓の橋本荘で作ってもらうお弁当を入れて9キロ弱の荷になる予定。

天気予報を見定めて、2012年9月8日(日)、鎌倉を出発した。
山形へ!