朝日連峰北方 18 北寒江山からミキ尾根へ 2012・9・12(水)

ryo-rya2012-10-23

目覚めて、まだ夜中という気がしたので目を閉じたまま、今日のことをあれこれ考えていた。そしてふと目を開けると、なんとすっかり明るくなっているではないか。あれ?と思った。時計を見ると5時だった(◎o◎)

こんなことってあるのだなぁとキョトンとしたが、これはあの錠剤のお陰だろう。時間感覚が抜け落ちるような睡眠は、野遊には滅多にない。気分爽快だ。さあ起きよう「山じい、おはよう」。

着替えてトイレに行って、顔を洗って朝食の支度、玄米ブランにスープ。玄米ブランは掌サイズの簡易食だ。それから粉末レモンティーをゆっくり飲んだ。荷は、着替えやコンロなど置いて行く。ザックは軽く小ぶりになってギュウと締めあげる。

外は、ちょっと濡れっぽかったが、やがて太陽が射してきた。小屋からぐるりと山々を見あげると、どこもかしこも静かな静かな山の朝だ。狐穴は朝日のど真ん中の楽園だ。

今日は早くに出発しようと思っていたのに、集団でない場合は手のろくなるのだろうか、だらしなくなるのだろうか、7時近くになってしまった。歩きはじめは稜線を行くのだから熊にも遭わないはずなのに、2時間近くもモタモタしていたのはいけないことだ。

さあ出発。荷も体も軽い、嬉しいな。オレンジピンクの陽が、昼への透明の光に変わっていく。三方境への道は、狐穴小屋がおとぎの国の中に建っているみたいに見おろせて、どうしてもふり向きながら歩いてしまう。ダメダメ、帰りに眺めながら歩けるのだからと自分を叱責した。

三方境の崩落地帯に張り巡らされてある縄の網は、すでに地面の一部と化しているのもあれば、今年設置されたばかりの「見るからに網地帯」もある。作業は大変だけれど、竜の小屋で例の芋煮会などが待っていて、楽しみもあるようだ。メンバーは決まった保全協会の組織以外にも参加者を受け入れている。そうやって続けている地元パワーだ。

野遊、参加してみたい。荷が持てないから芋煮手伝い班にまわったら参加できるだろうか。いやいや、修理班に交じって朝日の金玉水周辺やここなどを修理する集団になってみたい。女性は網を切って担ぐそうだが、10キロという網の3分の1でも担ぎたい。(それプラス自分の荷物となる)

この活動はネットに報告が載っていて、ブルーベリー氏の名前もあった。

7:40、北寒江山に着いて休憩。おや、立派な道標が新設されている。1本柱の木の肌に、こってりコゲ茶に染められた板が貼られてあり、太々と白い文字で行き先が明記されてある。その上部に太々と矢印がついていてわかりやすい。今までの木の肌に記入されるほうが風情があってよかったが、このほうが断然わかりやすいことは確かだ。

右手にミキ尾根への入り口があり、歩いて行く。心はものすごく新鮮だ。右下に三方池が光り、ハイキングコースのようなきれいな道をゆるゆると下って行った。稜線の肌が何種類もの緑を重ねてお鉢状に取り巻いて、底へ底へといざなわれていく。神秘の世界に吸い込まれていくようだ。ああ、ああなんという美しさ、朝日連峰よ高嶺の花よ。