やがて対岸に堂々とそそり立つ「黒部の怪人」、奥鐘山の西壁が姿を現した。屏風岩と双璧をなすと言われる大岩壁だ。思わず目を奪われた。
黒部にはほかにも丸山東壁があり、こちらは「黒部の巨人」と呼ばれている。それと黒部別山大タテガビン南東壁「黒部の魔神」、これが黒部の三大岩壁だそうだ。
岩壁見物をしたいけれども、横目で見るくらいで立ち止まれないのが残念だったが、野遊が感じるに、どうもこの岩壁は、怪人とか巨人とか魔神とか呼ばれるだけあって、愛嬌がない。あるのかもしれないけれども、見るゆとりがなくて、岩壁、ごめん。
いつかもう一度、ゆっくり眺めたいと思う。この迫力は、やはり写真で見るのと違うもの！
