裏剱(37)終章・ありがとう、まいたびツアー

新宿が近づいてくる。
添乗員K氏は、なんと我々に丁寧に謝罪の言葉を述べてくれた。それは昨晩、自分がみんなに心配をかけたことについてであって、他のことについては一切触れない潔さがあった。
まいたびツアーで初めて聞く、気持のこもったK氏の挨拶に、野遊は胸を打たれた。
野遊の隣席の婦人も感動したようだった。
我々こそ、さんざんお世話になったのだ・・・

添乗員Hさんはマイクを持って、
「よそのツアーの添乗員に、どこに行ったのですかと聞かれて、裏剱ですと言いました。わぁっ、いいですね〜、そうですよ〜最高でしたよ〜と答えました!」
と、弾んだ声で話し、どっと賛同の拍手があがった。

お天気に恵まれて、全員無事に歩き通して、なんと喜ばしいことだろう。
Hさんの笑顔に包まれながら、バスは新宿に到着した。

・・・ありがとう、まいたびツアー。
一生の記念またひとつ。

(いろいろな山での過ごし方がある。ツアー体験も楽しいものだった)
これで野遊の裏剱ツアー登山の手記をおしまいにします。m(__)m