温泉から温泉山行 11 白馬鑓、杓子

ryo-rya2013-09-06

白馬鑓に向かうとき、二人連れがこちらに向かって歩いてきたが、見あげると彼らはまさに空中散歩状態だった。

やがてすれ違うとき、野遊は思わず彼らに言った。
「お二人があそこを歩いてらしたとき、足から青空で、絵になっていましたよ」
彼らは何とも言えない笑みを顔いっぱいに広げて、昨日から知り合いみたいな会話を交わして別れた。
それで野遊もそこを歩くとき、今がそれだと思ったが、実際そこにいるとあまり空中意識がなかった。

白馬鑓へは道が二つになっていて、ゴスケが「こっちのほうが歩きやすそう」と左の道を主張するので、ではゴスケは左を、野遊はザレザレの右を登り、上で会った。ゴスケのほうが少し遠回りだった。(地図に書かれてある)

今朝からなんとなく前後して一緒っぽかった二人連れには、このサミットで合流し、野遊たちが先に立ってから会わなくなった。

向かいの登山者にはよくすれ違った。
女性が一人、空身でよいしょよいしょと登って来たので、そこを登ればサミットですよと励ますと、後ろからザックを前後に1個ずつ担いだ男性がやってきて、ニンマリ笑い合ってすれ違ったりした。

北アは登山観光的な要素も持っている。後立の八方から白馬までは、その色合いが濃い。それだけポピュラーで、そしてそれだけきれいなすてきなところなのだな。
稜線も明るく華やかしい。と、これは晴天だったからだけど。

2週間ほど前、知人がこの稜線を通ったとき、風雨だったそうで、聞くだに厳しい1歩1歩で、吹き飛ばされそうな小柄の体で頑張ったそうだが、景色なんか皆無。
野遊も濃いガスに包まれて歩いた思い出があるが、ほとんど語るべきことがない。

今回は恵まれた!根気よく行けば、たま〜にこんなすてきなこともあるのだな。

杓子は西側を巻き、あとは白馬村営小屋分岐に何時に着くかを意識する。
その時間で旭岳往復を考えるから。
稜線からは旭岳が、バケツを伏せたような形で聳え、白馬よりも大きく見える。(写真は旭岳)
正午、稜線で残りのお弁当を食べて、13時10分、分岐に着く。
遅くも14時に着けたら行こうと思っていたのでGOだ。