温泉から温泉山行 12 旭岳

ryo-rya2013-09-10

村営山荘を右下に見て、反対側の左へ緩やかに下っていく道をたどる。初めて踏み込む道だ。

男性とすれ違ったので、旭への道はこっちですよねと確認すると、彼は雪渓の雪を取りに行っただけだそうで、ビニール袋にいっぱい雪を入れていた。
沸かしてお茶でも飲むのかしら、おいしいのかなあ・・・雪渓はグサグサで、白と黒が混じっている。

ポケットにたたみ込んだ地図のコピーを見ながら進む。
雪渓は赤いベンガラがかすかに残っていて、踏み跡がついているけれどわかりにくい。
その向こうにも道があり、あれはきっと白馬山荘に行く道だろう。帰りはあの道を登って行くのだ。

雪渓で遊んでいる3人組がいた。彼らをなんとなく頼りにしてみたが、やがてどこかへ行ってしまった。

小さい雪どころや大きい雪渓を抜けてガラガラ岩の道を行き、旭の麓に立った。

ガイドブックには、3歩進んで2歩戻るザレ道を登るとなっていたが、どこから登るのだろうか。
ここら辺のことは、地図ではよくわからない。
大体本来正規の登山道ではないのだ。
コースタイムも地図には明記されていない。
ネットなどで歩いた人の記録を調べてみたが、これも個人差があってまちまちだった。

祖母谷への道は、修験者が歩いた道で、登山者ではないからピークはなるべく巻いたのだろう。小旭岳も清水岳も、名剣山も百貫山も巻いているのだ。

旭岳は、登山者たちが勝手に登って道を作ったようだ。
まっすぐ前方に延びているのは、富山に降りる清水岳への道だろう。明日行く道だ。

黒い岩肌に向かって、右に登って行くことにする。

ひとり、おじさんが追いついてきた。知っている人なら先行してほしいと思い、少し待っていたが、おじさんは野遊たちの少し後ろで止まって、動く様子がない。
それで仕方なく登りだすと、おじさんもついてきた。
きっとおじさんも旭に登りたくて来たけれど、道が不安だったのだろう。

非常に登りにくい道を辿っていくと、何とか上に出た。
「ここが頂上だよね」とゴスケ。
でも、道はさらに伸びていて、突起が見える。
「あそこじゃないの?」と野遊。
「あんなとこまで行く気?僕はここでいいな」とゴスケ。
と言いながら道にいざなわれて歩いていくと、ここが終点ですという感じの場所に出た。

さっきの突起が目の前に突き出ている。突起の取り付き点は、この場所からちょっと降りた地点だ。

添付のシルエット写真ではわかりにくいが、右端の突起が旭岳最高点(頂上)。その下の窪みが、↑の「ちょっと降りた地点」。野遊たちはこの、写真では突起より高く見える左尾根を辿って、突起下に出たのだ。