温泉から温泉山行 10 カメラの失敗

野遊は写真の腕はまるで素人だが、やはり自分が見た光景は撮影したくて、
デジカメを持って行ったのだが、スイッチを入れようとしたら反応せず、
出かける前日、充電器にバッテリーを置いた状態のまま、カメラを持ってきたことを知った。
猿倉山荘でポケットカメラを購入しようとしたら、今は売れないから扱っていないとのこと。

仕方ないのでケータイで撮ることにしたが、万一のときのために、下山まで電池を温存しておかなくてはならないので、山中では切ってある。
撮りたいときはいちいち起動させてから撮らなくてはならない。
以前デジカメ電池切れで、同じようなやり方でケータイを使用したことがあり、不便だった。
それで最近は電池が入っていると思っても、出かける際には充電することにしていたのが裏目に。
野遊は粗忽者なのだ。
ゴスケはカメラもケータイも持たない腕時計だけの人。(日常でも)
だから野遊のケータイは電池無駄遣い禁止だ。

ここに掲載した写真は、そういう事情で、数少ないケータイ写真。

ところが剱の雄姿は、今こそとケータイのスイッチを入れたのだが、なぜか作動しそうになっては切れてしまう。
結局撮れなかった。

野遊はいつも出かける寸前に、もう一度ザックを空っぽにして全部点検し直したい気持になる。
これで山に出かけていいのだろうかと、忘れ物について考えるのだけれど、何度やってもキリがないのだ。
それで家を出るとき、本当にいいのだろうかとドキドキするほどだ。
だから忘れ物はしないほう。でもやっぱり何か失敗する。

が、カメラの自由を奪われるというのも悪くない。
ロスタイムが減るし、今このときを目で味わおうという本来に戻れる。

剱は縦ひだの細かいアコーディオンみたいな山ですね。
白馬鑓に登るにしたがって、剱の姿は下がっていくので、稜線に出たときの剱のほうが豪快に見える。

山人方があんまり剱、剱というので、ちょっと背を向けた時期もあるけれど、やはり「いいものはいい」。剱は北アの主役だ。え、では穂高は?あれは北アの花型ね。槍ヶ岳は?あれは北アのシンボル。白馬はお姫様。五竜と黒部五郎と常念は王子様。薬師岳は女王。笠ヶ岳は黒幕(陰の主役)。鷲羽岳は紳士。水晶岳は孤高の騎士。赤牛岳はローンウルフじゃなくてローンオックス。餓鬼岳はスペシャルキャラクター。