温泉から温泉山行 18 グレイト家族

ポッと大きな河原に出て、降り立つと「白馬登下山口」という標識があった。
そこから赤いペンキに導かれながら広いガラゴロ岩を伝い、やや下方に渡った。 
ああ、これがガイドブックにあったガレ場か・・・気づくのが遅かった。
そして再び山道に入り、祖母谷の流れを見ながら歩いていくと、ついに林道に出た。

林道には大岩がゴロゴロ落ちていた。15分ほど歩いて前方に小屋が見えてきた。
右手に長い立派な橋があり、橋を渡ってくる3人組が見えた。
彼らのうちの一人が、野遊たちにどんどん近づいてきて、
いきなり「どこから来たのですか」と聞く。重ねて「白馬からですか」と。
「はい」と答えると、即座に「僕らは唐松から降りて来たんです」と言う。

追いついてきた二人を見ると、女性に少年だ。
この人はお父さんで、妻子とともに唐松から下ったのだ。

この祖母谷コースにつながる2本の下山道は、唐松と白馬だ。
登りは、強い人なら1日だが、途中の避難小屋を利用する人もいる。
唐松は餓鬼の避難小屋、白馬は不帰の避難小屋。
けれど下りはたいてい一気だ。
白馬からの下山道(19キロ)よりも、唐松からのほうが距離はやや短い(17キロ)が登り下りがある。ここを来たのか。

すごい家族もあるものだと思った。中学生の少年は満足そうな表情をしていた。
なんと素晴らしい夏休みだろう。野遊はお母さんと握手をし、心から健闘を称えた。

祖母谷温泉小屋到着17時30分。(恥ずかしいけど書かねば・・・)
女将さんは冷たい麦茶をお盆に乗せて迎えてくれた。
それはもう本当においしかった(^O^)
女将さんは、野遊たちの到着がこんなに遅かったのに、別に心配していなかったようだ。
「そんなもんだ」「それで普通だ」と、にこやかにねぎらってくださった。

もちろん!少年はいっぱいほめられた。「いい体験したね、よく頑張った」。
奥から番人さんも出てきて、「みんなに自慢できるよ」と。(知ってる人、少ないと思うけど^^;)
温泉のそばのベンチに、朝方追い越して行った、俊足の男性がくつろいでいた。

こんな時間なのに、女将さんは「夕飯は風呂を出てからでいい。さあ風呂に入りなさいな」と言ってくださった。
ああ〜このときのために今日がある〜なんちゃって〜♪