ヒマラヤ山行 (12)現地の生き物 犬の話Ⅱ「ヒマラヤワンワン物語」

3月24日、トレッキング7日目、マッツェルモ4410mを出発。その前に柔軟体操をしていたら、陽気なコック長が大きな声を出して踊りだした。それに合わせて愉快なクライアントが「どりゃぁ〜」とか言って意気を高揚させ、みんなはおかしくて笑った。
その声々を聞きつけた近所の犬が、ワンワンワンと吠えながら遠くから走り寄ってきたのだ。そして声の主のクライアントの足に、何度もちょんちょんと前脚をかけて遊びかかり、ピョンピョン跳びあがる。もう嬉しくてしょうがないという感じだ。この子たちは構ってほしいのだ。

そしてこのフワフワした白い小型犬は、なんと、それから4日後の帰路、マッツェルモに近づく道に現れたのだ。ワンワンという声が聞こえ、だんだん近づいてくる。野遊は「あ、あれは小さな白い犬よ!」と言った。だれも何も言わない。
「ほら、往きに出発するとき、白い犬がいたでしょ、あれよきっと!」と言った。だれも何も言わない。そしたら本当に白い犬が姿を見せ、ワンワン言いながらこちらに駆け寄ってきた。人の気配がうれしくてはしゃいでいるのだ。ああ、なんてなんてかわいいのだろう!犬が来ても皆さん「別に〜」という感じで、何も言わなかった。山には興味があっても犬には関心がないのかもしれない。

現地のナマモノ最高。
ワンコは人間の前に現れて食べ物をねだったり甘えたりするので、いろいろなふれあいがあった。このたびのヒマラヤワンワン物語は次回も次々回も、もっともっとも〜っと書いていきたいけれど、長くなり過ぎなので、これでおしまい。

次回はサイズがさらに大きくなってジャ〜ン!ゾッキョです。