Sureshの夏 8 もうすぐ会える

送付した書類の中に、色違いで大きく順番NO,を入れたメモ紙を同封しておいた。
1、日本に着いたら。(メモ1・カウンターのスタッフにこれを見せる。「藤沢行の高速バスの場所を教えてください」。なにかあったらここへと野遊のケータイNO,を添える)
2、バスの発進所に着いたら。(メモ2・運転手さんにこれを見せる。「藤沢駅で降ろしてください」。野遊のケータイNO,を添える)

Sureshには、バスの時間がわかったら野遊に電話を入れるように伝えた。
その時はまだ飛行機が決まっていなかった。
中国経由なら羽田着なので高速バス代は2000円以下。成田着だと高速バス代は3600円だ。(だったと思う)
どちらかわからないうちに送付してあるので、バス代として封筒に5000円札を入れておいた。(このお釣りを彼が自分から返してくれるかどうかちょっと興味を持った)
残念ながら中国経由のラインは取れなくて成田となったので遠い。

成田まで迎えに行ってあげたい気はあったけれど、午前中は野遊も用事があってできなかった。こんなにていねいにしたのだからあとは自力できたれと思った。

バスの運転手さんからケータイに電話が入ったのは、野遊がすでに藤沢の空港バス停で待機していたときだ。「外人さんを乗せています。今メモを見ました。藤沢で下ろします。道路事情で時間はかなり遅れると思います」という内容だった。野遊はたくさんお礼を言った。それと、なんでシュレスが自分で電話してこなかったのだろうと思った。
(あとでわかったことには、彼はケータイを持ってこなかったのだった。我が家の電話を借りるつもりだった。なかなか抜け目ない)

1時間以上待った。バスは茅ヶ崎のほうに行き、藤沢が終点ではない。乗客を降ろしたらすぐに出発するだろう。シュレスに会える。色々想像した。野遊はもう嬉しくて、バスの降車場を走りまわりたい気分だった。