シュレスの夏 22 甲斐駒(1)

シュレスが帰国する数日前、ようやく山の天候に晴間が出た。行くつもりだった北アの朝日雪倉岳方面は全滅状態だったが、山梨に晴れ間が広がったのだ。急きょ予定変更して、富士山か南アルプスを狙うことにした。

シュレスの今後の話の種に、標高日本一の富士山に登らせてあげようかしら。でも世界遺産に登録された今夏、久しぶりに晴れた富士山の混雑は目に見えるようで、シュレスはどういう感想を持つか、どうも今ひとつ行く気がしない。野遊が好きな赤石岳を紹介したいけれど、奥過ぎて日がない。二番目の高い山として北岳もいいけれど、それなら北端の甲斐駒の方がインパクトがあると野遊は思った。それで甲斐駒と決め、改めて行き方を調べた。
野遊はスーパー林道が開通してから北沢峠から入ったことがないので、大きく変わった甲斐駒入山道を知らなかった。
雪の北沢峠を登ったのが最初で、これは北沢峠から仙丈にアタックし、次の日、甲斐駒は吹雪のため、テントキーパーを仰せつかって男子部員だけアタックして終わった。
そして数年後には野遊が計画し、夜行山中1泊2日、北沢峠から早川尾根経由で甲斐駒を狙い、黒戸尾根を下った。長いコースだった。
以来甲斐駒とはご無沙汰だった。仙丈岳は仙塩尾根狙いでもう一度登っているが、これも北沢峠を1日かけて登っている。
今回はスーパーあずさで長野に出るのが不思議だったが、それが最もポピュラーな入山コースだそうだ。

2014年8月21日(木)出発。仙流荘泊。22日(金)バスで北沢峠。甲斐駒ピストン(往路を下山ではなく双子山経由下山)仙流荘泊。23日(土)鎌倉に帰る。中1日置いて25日(月)が、シュレスの帰国する日。