二宮 吾妻山と徳富蘇峰記念館

同じ県に住む二番目の姉が、野遊のあいている日に向けてハイキングに誘ってくれた。
二宮駅から歩いてすぐの吾妻山。菜の花の名所だそうだ。
うらうらと暖かい日。ショウルダーバッグ兼リュックサックみたいな小型のバッグを持って、藤沢駅から東海道線で10時に二宮駅に行った。

平塚市在住のこの姉は、子どもが小さかったころから、時々吾妻山にハイキングに来ていたそうで、このたびわざわざ野遊を誘ってくれたのは、時間があるときにできるだけ体を動かそうという積極的な行為だったようだ。先月は湘南平に誘ってくれた。

吾妻山は、野遊は初めての場所だった。駅から進行方向に向かって、右手の二宮観光協会からの登り口を通り過ぎて数十分歩き、小さな道標のある登り口からゆっくり登っていくと、やがて明るい頂上に着く。(もう着いちゃってすみませんね・・・^_^;)

富士山と菜の花を観ながら、チーズパンやスコッチケーキやミカンでランチタイム。
背中をお日様がポカポカ温めてくれた。もう少しすると、菜の花に並行して植えられてある桜が開花するそうだ。道はよく整備されていて、二宮の観光名所だそうだ。

お年寄りのご夫婦が、敷物にちょこんと座って、富士山を眺めながら、手作りのお弁当を、ゆっくりと食べていた。何も会話していなかったけれど、富士山と菜の花の中で、ほのぼのとした風景になっていた。

帰りは近場の徳富蘇峰記念館に寄った。こじんまりとした建物だったが、中身の充実ぶりには感嘆した。蘇峰についての資料、蔵書、書簡などが展示されてあり、その内容は濃かった。膨大なる量だそうだ。

蘇峰は国民新聞社を作った人だけあって人脈は広く、勝海舟との携わりも興味深いものだった。

佐佐木信綱が蘇峰の短歌を添削したものが、そのまま展示されてあった。ああこのような資料が鈴鹿佐佐木信綱記念館にあったなら、村田邦夫先生はどれほどうれしかったことかと思ったりした。

到底1回では垣間見る程度にしかならず、いつかまた来たいと思った。

庭はそろそろ梅が咲きだしていた。夏ミカンの木があった。たくさん落ちていたけれどそのままになっているので酸っぱいのだろう。実は2個、拾ってきた。酸っぱかった。

ゴスケに吾妻山の話をすると、遠足で、児童たちを何度か連れて行っているとのことだった。桜の季節にでも行って、近場にこんなきれいなお山があると教えてあげたかったのだが、今や山梨出身のゴスケのほうが、生粋の湘南生まれの野遊よりも地元民化している。