富山 5 新幹線の新しい駅前で

黒部宇奈月温泉駅前の、この食事処は、ネットにも載っていないようだ。これかなと思ってみて見ると、似た駅名のお店になってしまう。だからこの1件だけあった駅前のお店の名前を書けない。残念ながら忘れてしまったので。

間口の狭い、中に少し長いお店で、駅の建立とともにできたらしく新しい。というか、この周辺は、どこもみんな真新しい。それでいて何もない。田舎の朴訥とした「何もない」ではなく、奇妙にガラ〜ンン…として大きなロータリーなどあり近代的ながら、それにそぐう何もない。

お店に入ると、中は壁際のカウンター席と、真ん中にテーブルとイスが縦にいくつか並んでいて相席、お昼時だし皆さん結構入っていて、席が埋まっている。注文は自販機でチケットを買う仕組み。

黒ラーメンはなかったが、黒そばというのがあり、カレーをかけたもの。カレーうどんなら好きだけど、カレーそばは、野遊は絶対イヤ。天ぷらそばは好きだけど天ぷらうどんは嫌なのと同じ。葉で包んだマス寿司があったのでそれにした。チケットをお店の人に渡して、立ったまましばし待っていると、そばのテーブルのおじさん二人が食事を終えて席を立ったので、お水のコップを持ってそこに座った。

びちょびちょのテーブルを拭いていると番号を呼ばれてゴスケが黒そばとマス寿司をお盆に乗せて持ってきた。マス寿司は二人で分けた。

お店はいかにも庶民的だったけれど、おいしかった。ゴスケも黒そばはおいしかったと言った。観光客が増えたらもうちょっと豪華な感じにリニューアルして、黒そばとか、ほかの駅みたいに白海老丼とかで呼び込めるかも。

さて、とっとと食べ終わったので外に出て、何をしようか。んんん〜・・・
人も少なく閑散とした駅前広場の、造られたばかりのコンクリートの道の、黒部の水ですと書いてあるところで手を洗ってみたり、んんん〜・・・

けれど景色は素晴らしい。北アルプス連山がくっきり見あげられる。野遊は一生懸命眺めたけれど、山名を素早く言い当てられずに焦った。それは、いつもと角度が違っていた。朝日岳がこちら側に見えて、雪倉岳は向こうに隠れて見えないし、ほかの山は前衛の山々の後ろ側で見えない。目の前は毛勝山だ。これらの山は白い雪をたっぷり被りながらも、すでに春山の兆しか、ところどころ黒い山肌を見せていた。

この景色で、しばしゆっくり楽しめたが、やはりその景色だけで2時間はきつい。そこで、当てもなく近所をぶらついてみましょうということになった。