流水旅行 6 誘われる

いつもひょいひょいどこでも歩いて行く野遊が、この数か月、おとなしくしているので、野遊の上の姉が、かわいそうに思ってくれたのか、旅行に行こうと声をかけてくれた。

でもそんなに長く歩けない。ついて行けなかったら迷惑だろうな。それにこんな時に旅行するなんて・・・どうも乗り気になれない。
姉は夫妻で冬旅行の計画を持っていて、それに誘ってくれたらしい。それはツアー会社の催す旅行で、すでに夫妻で申し込んであるとか。残席があり、今から追加できるそうだ。

どこ行くの〜 北海道だって。声をかけられたのは今をさかのぼって先々月、2月のこと。行く日は2月13日(土曜),14日(日曜),15日(月曜)の2泊3日。この厳冬期に寒そう。流氷を見に行くのだって。

流氷と聞いて野遊、ちょっと食指が動いた。でも、ツアーは皆さん一緒に行動するので、もしこんな足でついて行けなかったらと弱気。やっぱり今は動かずにいようと思った。

すると、二番目の姉が行くと言い出した。(野遊には二人お姉さんがいる)そして野遊に、歩けなかったら休んでいればいいと言う。バスで移動するので、具合が悪くなったら観光地で降りずにバスに残っていればいいと。

う〜む、う〜むとウジウジしている野遊に、下の姉は、こもっていると気持も萎えるから、行こう行こうと強気で押してくる。

結局流氷見たさも手伝って、参加することにした。

上の姉夫妻の旅行に、妹二人が加われば、ほぼ姉妹旅行に変身してしまうのでは?義兄が気の毒かも。でも義兄は「大丈夫、もし歩けなくなったらおぶってやる」と言って励ましてくれた。

ありがたいなあ。こんな弱い立場で出かけるのは初めてだ。いいか、妹だし。