流氷旅行 5 筋肉、筋がズタボロ

野遊が通っている整体科はふたつ。人様に勧められ、優柔不断な野遊が腰をあげて行き、そこでズルズルと?通いだしたような出発ながら、さすがに勧められただけあって、どこもそれなりに良くて捨てがたい。1ヶ月に一度、じっくり1時間向き合って施術してくれるのはY整体師(東京と藤沢を行き来する)。もうひとつはこの3月から通いだした鵠沼のK整体師。こちらは小田急線を使うのでちょっと遠い感じがするのだが、「もうどうにも困り果てた人が門をたたく最後のところ」と言われているそうだ。こちらは1週間に1度くらい通うことになった。


肩凝りは肩甲骨からと謳う施術院「リラクゼーション」は、スポーツクラブの帰りにすぐ寄れる便利なところにあり、「次は〜次は」と電話指導?してくれるので、また行ってしまうが、ここは治療ではなく全身のケア。コースの選択があり、時間は1時間以外にも80分、それ以上と色々ある。

腰越のKU接骨院には昨年から通っているが30分間で、ほかの患者さんと重なる場合は並行施術となり、電気治療やウォーミング、アイシング、カップリングなど手技以外の施術も入る。ここは保険がきくので、治療費の点では行きやすい。

ほかには藤ヶ谷のI整形外科医院。これはレントゲンや、MRI、膝の水を注射で抜いたりヒアロルン酸を注入したりの、整体、接骨とは異種の施術がある。ここは予約ができず2時間〜3時間待たされるのが辛いけど。

そのほかには野遊の所属しているスポクのトレーナーと向き合う「パーソナル」という施術1時間。トレーナーの懇切丁寧な施術と指導を受けている。

これだけで結構毎日めまぐるしい。

野遊が行なう講習会が週に何回かあるので、その合間を縫いながら医院とスポク通いをする。今はこのことだけをするのだ、ほかにあれこれ思うまいと言い聞かせ。

原因と対策がはっきり見通せれば、野遊も何カ所もの医院を通い歩かずに、一つだけに絞って腰を据えてがんばりたいのだが、この状態で医師も施術師方も何がこう、と具体的には明言できないようで、ただ、水が溜まれば抜いてヒアロルン酸を注入したり、凝ったところをほぐしたり周辺の筋肉を鍛えて患部を守る対症療法になっている。

野遊の下半身の筋肉も骨もズタボロで、太もも、膝周辺、ふくらはぎ、脛、足首。骨がパキパキ鳴ったり、筋が突っ張ったり、筋肉にテニスボールが入っているようだったり、揉んでも、押しても、根府川の坊さん手作りの木の棒で自己施術を繰り返しても「古傷に痛めつけられ、小さい肉離れを無数に起こしている」とやらの脚の筋肉を、どうやって回復させればいいのだろう。

施術の後は、体が軽くなって脚がちゃんと曲がるようになりうれしいのだが、その奥の骨はガサガサのままで、一晩明けるとどれもが元に戻ってコキコキになっている。でも何かを信じて繰り返すしかない。

プールで浮力を利用して周囲の筋力を強化させるべし。いや、悪化途上の筋肉は、ひたすら休ませるべし。医師がたはそれぞれの正論を言う。周知の基本は静かにアイシング。炎症がおさまったら温めてマッサージ。けれども左膝は何ヶ月も熱があり腫れている。治れば何でもいい野遊は、全部鵜呑みにして矛盾を抱えつつ自己解決をまさぐる!