流氷旅行 10 紋別博物館

今日は流氷を見る日だと勇んで出かけたのだが、流氷はまだ来ていませんと添乗員が言った。流氷は見られないけれど、予定通り船に乗りますか、それとも明日の午前中に変更しますかと聞かれた。明日の昼は帰路につく。その前の雪見物だったかの予定を変えて、明日流氷を見ようということになった。でも明日流氷がみられるかどうかは不明。

お天気は悪化して猛吹雪、どこに行くことも制限されて、近場の紋別の博物館に行くこととなった。建物の中なら寒くない。

博物館で、昔の土器や、金山のジオラマなどを見学し、オホーツクシアターを観た。土器の展示は1万8千年前の旧石器時代の日常生活のものだそうで、人間の知恵や工夫が凝らされていた。金山は北海道は鴻之舞金山で、お人形さんたちがたくさんいて働いていた。ニシンの時代の網元の家というか工場も復元されていて、この大きな空間いっぱいに、いつもお魚臭かったのだろうなあと思った。
シアターは大スクリーンに流氷が映し出され、もう流氷を観た気分。それよりこういう大きな映像を、首をもたげて見あげるとクラクラして、退場するときは目も頭もクルクルしていた。野遊も年老いたものだ。いちいちそうっと静かに行動しないと具合悪くなる。膝も悪いし。外に出た。どっと寒気が押し寄せる。でも、すぐにバスに乗車する。

そうだった。膝が悪いから山に行けなくて、そんな野遊を姉が誘ってくれた旅行だったな。他のカスタマー方が凍った道路を、時々立ち止まったり、ヨロッとしたりしながら歩いている中、野遊は普通のウォーキングシューズで普通に歩けて、これでも充分ありがたいと思った。階段の登りが続くと片足ずつ上るし、下りはもっと遅くなるけれど、とにかく一応歩けるのだ。贅沢言うまい。(でも登山したいなあ)