流氷旅行 13 流氷はぁ〜? どこよ

ryo-rya2016-05-27

バスはまっすぐ海に向かい、期待に胸を膨らませて下車、それから大きな遊覧船に乗って出発。先頭にスクリューがついていて、流れてくる氷を砕きながら進むのだ。でもスクリューは我々のために一応まわっているだけで、氷ではなく海水を無駄にかいていた。

甲板に出ると息を詰める寒さだけど、流氷はぁ〜流氷はぁ〜?と海面を見つめた。
ちょっとだけ「これで勘弁ね」というのが流れていたりすると、野遊はとても喜んだ。
でも目をあげると、出発したときに見た景色が近づいてきて、1時間ほどの流氷見学は、もう終わろうとしていた。
ううう、寒さが身に染みるとはこのことだ。

添乗員は、今年はことさら寒いので、流氷はまだ来ないようですねと言って涼しい顔をしている。そんなんで旅行者を呼ぶな〜!と思うけど、来ないのだから仕方ない。
それでは残念でした。と、飛行場に行って解散した。

野遊は、出発前、添乗員が極寒ですので服装は最高に温かいものをと言ったので相当の装備を用意していったが、外を歩いていてもやがて室内に入るし、甲板に出ても室内に入れるし、移動は暖房の利いたバスだし、もっと簡単な服でよかったなと思った。冬山登山を思うと、厳寒の北海道なんてとても恐ろしいが、これは旅行だったのだ。

帰路の飛行機も平和で、やがて予定通り羽田に到着した。

その2日後、流氷がやって来たと新聞に書かれてあった。あら残念。
いつかこの目で見たいものだ。でも全体的に楽しい姉妹旅行だった。