流氷旅行 12 夜も朝も除雪車が働く

今日のホテルに着き、入浴して夕食。メニューは特に記憶にないが4人で楽しく過ごした。そして酔っぱらった義兄は先に寝てしまい、姉妹で深夜までおしゃべりして、明日の流氷を期待しながら就寝した。

夜中に目を覚まし、窓の外を見ると、大きな駐車場がある。車が数台止まっていて、雪に埋もれている。除雪車がゆっくり、あっちこっちと動いている。いつまでも眺めていたが、除雪車はなかなか作業を終わりにしない。一晩中、除雪しているのだろうか。これが北海道か。

駐車場の向こうの道路は陽炎が立っているようにモワアッと煙っている。コンビニがある。その明かりもにじんでいる。寒くて湯気が立っているのかしら。そんな中、時々走り過ぎる車がある。

ああ鎌倉の夜がこんなに凍てついたら、住民は在宅しながら遭難するのではないだろうか。

やがて野遊は再び眠りについたが、今度は二番目の姉が起きてきて、窓外を眺めていたそうだ。そして朝、除雪車はまだ作業を続けていた。雪が積もる以上はずっと除雪しているのか。運転手さんは交代しているのかもしれない。

車を出す現地の人は、別に急いでいる風もなく、困っている風もなく、普通の感じで淡々と、車の雪を払う。時間がかかる。そもそも、その車のところに行くのに時間がかかった。除雪車が一晩中がんばっても、どんどん雪が積もっていくのだ。現地人はゆっくりと車に近づいていくように見えたが、実は相当なエネルギーを使っていたのだろう。そして周囲の雪もどけて、ようやく車に乗って、出発していった。またそれをずっと見ていた野遊も何だろね、でも興味津々だった。

今日は流氷を見る日なので少し早く、7時に朝食タイム。そして出発時間にロビーに行くと、添乗員二名が出勤してきた。男女の添乗員で、男性は「今日のホテルはこの街で3本指に入るホテルです。この町にホテルは3件だけです」とか「アルコールは飲み放題、払い放題です」とか、おもしろいことを言って笑わせてくれた。女性の添乗員は、バレンタインデーなのでと、小さなチョコをかわいくトッピングして我々に配ってくれる、心優しい人だった。

さあ、流氷旅行が始まる。