朝日連峰 障子ヶ岳 12「十六夜に浮かぶ障子ヶ岳のシルエット」

歩きだす前にブルーべリー氏に 「ヘッ電出しといて」と言われたときは、「そんなに暗くなるまで歩くものか」と思ったし、早く歩きだそうと焦ったが、彼らは急ぐ旅路ではなし、のんびり行くつもりだったのだ。ブルベリー氏が先頭を行き、野遊がついて行くのだが、後ろから天狗さんが「ついて行こうとしないで。自分のペースで歩くように」と、再三声をかけてくる。ときどき野遊のサブザックを後ろから抑えて「もっとゆっくり」と言う。
あのねぇ〜!ザック後ろから押さえられるのって、ものすご〜く嫌で、歩きにくいなものなんだからね!ブルーベリー氏は相当ゆっくり歩いているし、それ以上ゆっくり歩くのなんかむずかしい、何でわざわざゆっくり歩かなければならないのだ、ガルルルと言いたい。
(さっきは水〜水〜とフラフラしてたのに、ゲンキンなものですm(__)m)

ついに暮れてしまった。だから言ったじゃないの〜言わないけど(ゲンキンなものですm(__)m)
でも明るい。分岐の粟畑にて、橙色の大きな十六夜に照らされて障子ヶ岳のシルエットが浮きあがる。おお〜っと歓声をあげて、4人で見とれた。
「こんな景色、普通では見られない。この時間でなければ」と、天狗さん。
「mgさんも来ればよかったのにな」と。mgさんとは写真家さんで、今日はひがなあちこちを散策して写真を撮っていたとか。写真のために連泊するそうだ。

障子ヶ岳はきっちりと正三角形で、おごそかに黒くそびえていた。

天狗の小屋に近づくと、水の流れている道があり、「この道は水が流れているんだよ」「あちらが天狗角力取山だよ」「ここは石畳が敷いてあるんだ」と、天狗さん。天狗さんが小屋の前の石畳の道の話をするとき、ちょっと自慢げだった。