大黒谷光大夫を辿る旅 3 鈴鹿市役所

鈴鹿サーキットのホテルは、広いきれいな庭があり、朝、野遊は散歩した。以前も宿泊したことがあるが、急いでいたので散歩のゆとりはなかった。花もいっぱい咲いていた。すごい手入れだと思った。スタッフの人数が多くて、普段はそれほど混んでいないようで、レースの時の宿泊客でまかなえるのだから相当な人数なのだろう。

8月6日(土)、チェックアウトタイムの10時に団長が車で迎えに来て、野遊は自分で行けるのに、ていねいな団長である。11時過ぎに鈴鹿市役所に行く。市役所はすごく大きくて近代的なきれいなビルだった。鈴鹿市は黒字の市なのだ。

こんなに費用をかけるなら、もっと何か、鈴鹿独特の風情のようなものを凝らせばよかったのにな、と思った。

「光太夫の会」の会員方もこの旅に参加されていて、その会長(理事?)が一言挨拶し、団長も何やら挨拶し、市長も挨拶した。市長は今春4月に自民党系の前市長にとって代わって民主党系の女性がなったとかで、スーツを着ていたが、最初、野遊は職員の一人かと思った。雰囲気がデパートガールみたいだった。おかしいことがあったのか、スタッフ相手に大口あけ、のけぞって笑ったりする様子は可愛いけど市長が可愛くたってしょうがない。挨拶の一声が「おあよございます!」で、なにをはしゃいでいるのだろう。

野遊は自民党民主党もどうでもいいけれど、光大夫の旅を企画した団長は自民党系で、市長選では自民系の候補者を立てて戦って敗れたそうだ。それがこの新市長、元は自民党で、このたび民主に乗り換えて出馬したとか。勝って数カ月も経つのだから、こんなにはしゃがなくてもいいのにね。

ここから関西空港に向かう貸し切りバスに乗る。団長が隣に座ったので、野遊が「デパートガールみたいな市長ですね」と言うと、「これ」と、怒られた。野遊はこの旅の間、団長から「これ」と、怒られてばかりいたので、これがこの旅の怒られ初めである^_^;