大黒屋光大夫を辿る旅 23 ネヴァ川クルーズ

ネヴァ川クルーズ、15時7分に出発。
ドガ湖から発するロシア北西部のネヴァ川は、サンクトペテルブルグを通ってバルト海の支湾のフィンランド湾に流れる。74キロメートル。
川幅が広いので航行が可能なため、中世からバルト海沿岸と東洋との交易に利用されていた。川をめぐっての戦いもあった。

アリスがマイクを片手に説明してくれる。

でも我々は時々聞いて、あとは外の景色に心奪われてしまう。甲板に出ている方も多く、野遊はしばらくテーブルつき室内で、窓から景色を眺めながらアリスの説明を聞いていたが、後半はやはり甲板に出て、思い切り風に吹かれた。潮風でないのが、べとつかずに気持いい。

古都の町並みが美しい。芸術アカデミー、人類学・民族学博物館など18世紀の建築物の前を通り抜けていく。
 
海戦勝利の記念碑は「ロストラの灯台柱」と呼ぶ。赤い柱には、切り取った敵船の船首(ロストラ)が埋め込まれている。なんだか個性的というか奇妙というか西洋的でないような感じを受けたが。
 
エルミタージュ美術館は全容が見渡せるほどはっきりと、その壮麗な姿を見せていた。

橋の下を通るときは、すれすれでスリルがあるほどだった。

これが子供のころ、地理の時間に勉強したネヴァ川か。ほんとうにあるんだなあ・・・という不思議な感慨に包まれた野遊だった。