ネコたち日誌  番外編4 もう9月になった…

「まだいる子たち」

ゴスケが2学期から、臨採で学校が始まるし、野遊も平日は不在が多いので、留守にするときはネコたちを隔離しなければならない。だいたい平日の日中は、彼らは隔離状態になる。大ネコたちは階下のリビング・ルームとダイニング・ルーム。ルネは二階。帰宅してからも何事もなかったかと家を点検するのだが、異状なし。でも大ネコは階下のそれぞれの居場所にうずくまっているので、ずっと静かにしていたのかと気の毒に思えるし、ルネもそうだ。
これは不自然なので、そろそろお迎えに来てほしい。もうそろ飼い主。


「梅太は甘えっこ」
家人がいるときは家じゅう自由に行き来できるようにしてあり、ヴニャンとかいうので見ると梅太が野遊の足元にいて、椅子にデカイ顔をこすりつけたりしていて、抱きあげるとどっしりと重くドデェェェ〜ンと伸びていかにも憎体なのだが、抱き込まれてじっとしているところがかわいい。どこをいじっても無反応になっている。これは物心ついたときによほどいじりまくられたニャンである。

今はここを開けてほしくなくて棒で戸をつっかえ棒するとき、「何しよる?」と梅太がにらんでいたので、ちょいと試しに棒の先端を梅太の目先に出してみた。すると梅太は顔を突き出してにおいをかぐ。それならと棒を梅太の頭上に振りかざして今にも降ろしそうにしてみた。動かない。頭上に近づけていくと、上目でそれをにらんでいるが「これ何だ」という感じでドテッとしている。

ジロもそうだしルネもそうだけど。大きな梅太がそうだとかわいさ百倍。
それにしてもちっともさわやかじゃない声だ梅太は。

ルネがどんなに牽制しても梅太はいきたいところに行く。ルネの鼻先すれすれを通る。ルネが逃げ出しても追いかけもしないので、梅太とルネは放っておいても心配ない。


「ジロの目」「ジロの手足」

ジロはルネが逃げだすと追うので、ここでルネが切れちゃうからうまくいかない。ネコの追いかけっこは始末に悪い。我が家は彼らが来てから、けっこう大事だった食器を、うっかりしているときに日を置いて二枚、割られてしまった。出しておいた野遊が迂闊なんだけど。

ジロの目はまん丸の上がわずかにまつ毛っぽく欠けていて、ものすごく素敵だ。
ジロはルネができないことができる。階段上にルネが登っていくタンスの上に、違う個所からひらりと飛び乗る。黒猫は日本ネコの中ではトビネコの次に身軽だというが。性格はシャイで甘えん坊なのだが野遊には甘えてくれない。もうそろ飼い主。