野遊の将棋物語 5 豊島竜王とよぴっぴ

その後、豊島くんが豊島きゅんになったのだという説などが出てきたようだが、源は関西大学の、縁の薄く短かった学生さんたちだったのだ。

野遊はこのエピソードが気に入って、ずいぶん以前から豊島棋士をキュンと呼んでいた。カタカナで書くのは、胸キュンならカタカナだろうし、また文章上読みやすいからでもある。

豊島棋士は行儀も良くて礼儀正しく、様相も優美だ。でもどことなく可愛げで、キュンという愛称がことさらに似合う。

 

やがてその可愛げがピーちゃんという感じで、とよしがとよぴになっていったようだ。トヨシがトヨピに。(このほうがわかりやすいな、やはりカタカナはこういう場合重宝だな)

 

で。ピーちゃんだとか、叡王戦不二家の主催になったことから、叡王であるキュンはペコちゃんと呼ばれたりもしている。これまたとてもよく似合う。

キュン、トヨピー、ペコちゃん。何でこういうかわいらしいニックネームが似合うのだろう豊島君は。

あ、この「くん」呼びも超一流棋士に対して失礼なんだよね本当は。

なんでこういうふうな呼びかをしてしまうのかな、それは尊敬の念とはまた別の分野での、愛情だと思う。そういうものを感じさせる棋士なのだ、キュンpは。