マナスルゥBCヘリトレッキング 3 気ぜわしく

気ぜわしく、ほかのことは何も心に入ってこない。いつもより準備が遅い。頭の回転も錆びついている。

ツアーでのお約束ごとをどこまでスムーズにこなせるか、途上では抵抗できないのだから、今のうちにせいぜい想像を伸長させて、できることをやっておかなくてはならないのだが…焦りが先だって遅々として進まず、しかも、早くも眠りにくい状態に入っている。

登山、トレッキングで最も大きな問題点は、胃腸の調子と睡眠だ。生活との戦いになっていく。その次が、自分はちゃんと歩けるか、誰にも迷惑をかけないか、そして、この雨期、どこまで景色が見られるのか、と最大であるはずの目標が、ようやく浮上してくる。

今回はロッジと、BCでは連泊テント。あの場合、この場合と恐ろし気な想定を並べながら、未然に防げるもの、どうあっても必ず襲ってくる、防げないものを棚に横並べしながら、心ならずも緊張が高まっていく。