温泉から温泉山行 2 祖母谷コースとは

北ア後立山連峰の、富山側につながる長い下山道に、祖母谷コースはある。唐松と白馬から派生している二本の尾根だ。

登りは避難小屋を利用する場合もあるが、下りは一気なので長丁場になる。白馬からは19キロでほぼ下り一辺倒、唐松からは17キロだが登り返しが何度かある。と、このキロ数は資料によってちょっと差があるようだが、これは祖母谷温泉小屋の方が言っていた。

祖母谷から登るなら白馬コースのほうがきつい。けれど不帰の避難小屋を利用するなら話は別だ。唐松コースにも、餓鬼の小屋がある。下るなら唐松からのほうがきついかもしれない。

野遊は白馬周辺、針の木周辺は1度ならず体験しているので少し明るいが、天狗、五竜鹿島槍などは1度歩いただけだしガスっていたのでただすっ飛ばし、記憶に薄い。唐松岳ってどんなところだっけ、というほどのお粗末さだ。

不帰のⅠ峰、Ⅱ峰、Ⅲ峰は覚えている。先行するほかの登山者方がノロクサしていて、すぐに追いついてしまい、山岳部4人組で組んだトップを行かされた野遊はヤキモキした。リーダーに「知らない先行者のすぐ後を、せかすようにつけてはいけない」と、注意された思い出があるから。

このたびは「少し知ってるつもり」の白馬からの下りを選んだ。

数年前、プー子を連れて白馬に向かった折、旭岳、清水岳への美しい道を見て、あそこを歩きたいと思ったことがあり、ずっと心に残っていたのだ。