夢ノート 台風が来る土曜の朝に

夢の最初はたいてい覚えていない。

大勢で旅行していた。国内旅行だったようだ。覚えているのは夜からで、お風呂あがりに、メンバーの一人であるどこかのおっさんが、野遊が普段使用している大型ナプキンを肩に乗せて汗拭きにしていた。
それは元はシーツで、最近一人食事の多い野遊は、テーブルにそれをバサッとかけて食事し、ナプキンにもしていた。いくらでも洗えてすぐ乾き、やわらかくて使い勝手がよく、気に入っていた。だから野遊は、おっさんからそれを取り返した。たかがの布じゃないかという気もしたけど大事だから。

どこを観光したか夢は語ってくれないが、夜は大きな部屋で、見知らぬ女性同士、枕を並べて寝た。

それと夕食タイムが記憶に鮮やかで、縦長のお膳に向き合って並んでいた。だれかに、野遊が着ているシャツがとてもすてきだからほしいと言われ、ああどうぞと言った。

真ん中にドーンと置かれた、大皿に山盛りの前菜が、薄甘酸っぱくておいしかった。次にお魚の姿焼きが出てきて、食べる前に、野遊は席を立った。

それは、食事前にお風呂に入ってこようと思ったからだ。浴衣を着ている人もいたので、シャツを脱いで(ほしいと言った人にあげるから)浴衣に着替えて再び席に着こうと思ったこともある。でも食事中にお風呂に行くなんて、やっぱり夢ってヘンです。

部屋を出て、縁側から外に出ると、砂利のような黒い土になっていて、道路の向こう側に行くと、花が咲いていた。

その花を見ているうちに、野遊の気が変わった。食事が終わってからゆっくりとお風呂に入ろう。それで引き返そうとすると、黒土の道路はなかなかまっすぐに引き返せるものではなく、多少の迂回が必要だった。

迂回しようとする道には線路が何本かあり、電車が来たら危ないなと思っていると電車が来た。電車は真ん中の線路を走っていた。見るとこちら端の線路から行けそうだったので、走る電車の脇を通って引き返した。待てばいいのにね。

黒土の庭に戻ると履物が転がっているので直してから、自分の履物もちゃんとそろえて縁側に上がり、浴衣に着替えようと思うのだがこの場に持っていていないので、シャツを脱いだ状態のまま、戸を開けて部屋に入った。

ちゃんと話は続いていて、さきほどの食事風景がそこにあった。

・・・でもみんないなかった。というかメンバーが変わっていた。テーブルには食べ終わって席を立った感じの空の座席がいくつもあり、残っているのは2名だけ。別に野遊を待っている風でもなく普通に食事中だった。

野遊は食事を再開した。それが、出ていく時のままで、前菜と、お魚の姿焼きが置かれてあり、ほかにはご飯やお味噌汁程度だった。これは宴会ではなくて民宿の夕飯のような感じだった。

一緒に食事している二人は、野遊の父と母だ。

大盛りの前菜はスイカの漬物だった。(今、野遊はスイカの皮を味噌漬けしているので夢に出てきたのかな)細長く切った白い皮と、内側に少し赤みが残った皮は四角く切りそろえてあり、二色そろいのきれいな盛り付けだ。(現実ではこんなに大量に漬けないけど)

野遊は母に「みんなはこれを食べた?これは野遊がつけたって言ってくれた?」と聞いた。いつの間にか「みんな」とは、野遊の姉妹兄弟になっていた。
お魚を箸で食べていると、母が野遊のシャツを見ながら、これはいいシャツだと言う。ああそうか、さっきこのシャツをオーダーしたのは母だったかと思った。ちゃんと夢は続いていた。

父が「店でおまけにもらったシャツにしては、しっかりしている」と言っていた。グレーのシャツで、胸元に金色模様の印刷がしてある。「何に使うの?」と聞くと、「マッチにあげる」と言う。は?野遊の二番目の姉だ。なんだろね別にいいけど。

野遊はご飯をお替りしようと、そばのお櫃を開けると、ご飯が入っていた。どうやら副菜が納豆のようだったが、なんともね〜第一、野遊の作った漬物が出るとは、もしかしてここは両親の家でしょうか。でもおいしい食事でしたよ。

゚ฺ*:;;:*゚✿゚ฺ*:;;:*゚✿゚ฺ*:;;:*゚✿ฺ ゚*:;;:*゚✿゚ฺ*:;;:*゚

初めて、お父さんとお母さんに囲まれた家庭料理を食べましたという夢を見た。目が覚めても夢の中にいて、話しかけたり、話しかけられたりしていた。いつまでもベッドに寝そべって、夢の余韻に浸った土曜日の朝。

先週は野遊の誕生日だった。プー子が、ネコさんのお顔のバースディケーキを買って遊びに来てくれて、ゴスケは、野遊の好物だからと、スイカを1個テーブルにドンと置き、野遊はスイカカットとケーキカットして、奇妙な食べ合わせの昼さがりのパーティだった。
影武者(プー子の夫)は、野遊にLogicoolの白いPCキーボードをプレゼントしてくれた。これがサクサクと使いやすい。

夢の中で、それを両親に報告したかなあと、思いながら身を横たえていると、雨が降ってきた。これは夢ではない。今日は、一度去った台風が戻ってくるという予報で、これから風雨が強くなるだろう。戸締り確認に起きあがった。以上久々の夢ノート。

後日書き足し・どうせだれも見ていないでしょうので、ま、いいか。マイナーな書き足しを添えておこう。この新しいキーボードを、さっそくゴスケが具合悪くしてくれた。普段は野遊しか使わないPCなのだが、あることでゴスケが使った。そのとき、アイスコーヒーのグラスを脇に置いた。使い終わってから、空のグラスを持って立ち去るとき、グラスの底の水滴が下に垂れた(ようだ)。その水滴が、キーボードのタッチパットの部分の、なんと!脇の隙間に垂れていた。ゴスケが立ち去ってしばらくして野遊が、パットの上に茶色い水滴が丸く落ちているのを見たのだ。猛然と焦ってテッシュで吸い取った。あとでゴスケに言ったがゴスケは見ていないので心中否定しているようだった。けれどこのタッチパット、たちどころに様子が狂いだし、野遊は無知だけど分解して、開けきれないながら扇風機で風を3時間通して閉じた。でも、やはりどうも調子悪い。新品を…人生、こんなものだか。ゴスケは野遊の人生の、横やり不幸キャラである。最初から今に至るまで。だから最後まで。だろう。