2017 秋のヒマラヤトレッキング 30 モンラへの道

歩の進まなそうなチーチャに、先頭を歩かせた。高度が入るのでとにかくゆっくりゆっくり、それさえ気をつければ、どこで立ち止まろうと、好きに歩いていいからと。

案の定チーチャは、少し足取りが早くなった。こういうものなのだ。時々休憩をとりつつ、順調に進んでいった。野遊は膝をかばいつつさらにゆっくり歩いた。差がついてもチーチャはどんどん進んでいった。差がつくと貯金した気がして、どんどん進む心境。こういうものなのだ。

チーチャは今までツアー登山や地元の山岳会の企画する登山に参加してきたので、列になって歩くことしか知らない。先頭は生まれて初めてなのだ。

でもこのルートは、はっきりとはるか先に、今日の宿泊地モンラが見あげられ、わかりやすいので、自由に歩いていいと野遊を思ったのだ。そうすればチーチャは自分をコントロールしながら歩けて、きっと苦しみも軽減するだろう。

ゆるやかな美しい登り道のはるか先に、モンラの建物が見あげられる。
左手は山腹、右手は渓谷と山々。素晴らしい景色だ。（写真はモンラへの道）