野遊の将棋物語27 王位戦第2局が終わって

夏だ…毎日暑苦しい日々が続く。鎌倉は特に湿気が多くて過ごしにくい。

豊島キュンが負けたのでなお心が重い。今頃どうしているか。くたばってはいないだろう。すぐ次があるし。もう鍛えられているし。応援するほうは気楽でいいな、キュンはどんなプレッシャーに襲われていることか。

キュンは研究熱心で、AI対決のときは短期間に千局も対局してその特性をつかみ、本番で勝利した棋士だ。今回も自分たちが描いた棋譜を見つめているのだろう。聡太もそうしているだろう。でも研究だけではこの先どうしようもなく、縦横無尽な想像性創造性が必要になってくる。聡太の得意分野だろう。

70手以降くらいに角の二枚攻めがあって、81手めに銀で玉をかばったけれど、そこらへんがどうやら弱かったらしい。でもあの際、龍に直撃されて、銀が3枚もあったのだし、出動させたくなるよなぁ。その前に角を91に示唆したAIは、どういう主旨だったのだろう。もしそうしたらどうなっていたのだろう。そうしたとして角は行き場がなくなって働けなくなるはずなのに、なんで91角を示唆したのだろう。将棋の友がいないので野遊はいつも誰にも教えてもらえず寂しい。

どうしてキュンは負けたのだろうと、繰り返しとりとめもなく悶々と思いながら、全然楽しくない日を過ごしている。