野遊の将棋物語31 叡王戦第4局が始まる
8月22日の日曜日。9時開始。豊島叡王が16分前に入室した。王位戦のときより数分早い。藤井2冠のほうが13分前で、挑戦者が後の入室となった。
先手の豊島叡王が相がかりの角交換で始まって、なんだかいつものように展開されていくような絵図だった。この2日の間に、ふたりは何を考えて、何を期しているのだろう。
角交換の後、それぞれ桂馬が77,23と跳ねて、いつもと少し違う感じになっていった。
戦いはゆっくり進んでいった。
ずっと前半は評価値はほぼ同じだったので、聡太を相手にキュンはなんと健気なことかといつものようにいじらしく思った。
豊島叡王の手番でお昼の休憩となった。お昼が終わってもすぐに指さずにキュンは考えていた。なのであえて手番を休憩時間に持って行ったのではなく、長考していたのだな。