鎌倉駅前交差点物語(10)神奈川県警へ

それは昨年2009年の10月のことだ。千一から電話が入った。音声キーボードで、
「アシタ  13時二 カマクラ シヤクショ二 キテクダサイ」と。
あの交差点について、神奈川県警に出向いて行って、じかに話すことになったという。
市の職員が、毎度毎度の千一の質問に処しようがなくなり、では県警に出向いて、じかに訴えてくださいということになったのだそうだ。
市の車で、職員も同行するからと、時間を言ってきたのだ。
千一は、実態を説明する役として、わたしを要請したのだった。
それにしても「来てください」といきなり何。急すぎて、わたしには都合をつけられない。
いつもこれだ。どたばたしたが、とにかく強引にその時間をあけて、行った。
市役所の議会室側の玄関前で、千一が待っていた。職員も3名付き添っていた。
電動椅子を市役所に置いて、千一は抱えられて車に乗り、トランクには、折だたまれた手動の車椅子が積み込まれた。
職員は全員男性で、介護のために付き添うわけではないはずなのだが、彼らはティッシュペーパー、ビニール手袋、ペットボトルとストローを紙袋に入れて持ってきていた。
千一も常に持参しているのだが、それとは別に。多分、これはこの職員の自発的行為だろう。
ああ、心温かい方々なんだなぁ・・・
車で元気よく(?)発進した。横浜県警に向かう。