鎌倉駅前の交差点物語(22)

この交差点について、交通信号とバリアフリーというタイトルで基調講演を行なった神奈川県警の方の交通規則情報は、「知ってるつもり」のことが、実は「そういうことだったのか」と目を開くような、けれど別に斬新的ではない、なんというか、すごくあたり前の論理を、改めて知るといったものだった。

みんな、何の気なしに交差点を使用しているが、交差点の原理を知っていたなら、もっと身にそくしてそのありがたさ、また、新たなる工夫なども出てくるのではないか、そこに既成の交差点があるということが当たり前、という思いから、そのいでたち論理を知った上で、自分たちの交差点なのだと思い知ることは、今後の大いなる役に立つと思った次第。なかなか面白い内容の講演だった。

残念なのは、千一が昨年の晩秋、神奈川県警に出向いて、会議室で話をした警官2名がそこにいなかったということだ。この2名の警官が、千一の訴えを聞いて、働きかけてくれたのだから、ここにいてほしかった。彼らの行動が、こういうふうに実を結んでいるということを、今後のためにも見てほしかったな。

さてこの講演者が「実際は(あの交差点)5秒のびたんじゃないんですよ」と発言した。「ほかの(車の走る時間など)時間が短くなったので、そういうふうに感じるでしょうが」と。

野遊は千一から「5秒のびました」と聞いていたし、実際に歩いてみて、歩行時間が長くなっていると実感したので、この発言に疑問を感じた。歩行時間が長く感じられたのは、では錯覚なのか。切実に歩いている人には、そんな錯覚はありえない。

講義が終わって、質問時間があり、是非お聞きしたいと思った。つづく。