朝日連峰縦走(21)ツアーのパワー

今のところ今日の竜の小屋の宿泊客は、連泊で以東岳を往復したご夫婦と、以東小屋からやってきた5人組。それと野遊の8人だ。ご夫婦は、昨日日暮れ沢小屋に車を置いて竜門山、今日は以東岳往復(何も見えなかったそうだ、ヒメサユリも(ToT))で、明日は朝日岳、小朝日岳を往復しながら日暮れ沢に戻るという。5人組は前々日に小寺鉱泉の駐車場に車を置き、大鳥の朝日旅館から、朝日屋の車を運転してもらって泡滝、大鳥、直登コースで以東小屋泊、15:00ころ竜の小屋に着いた。なんでそんな贅沢ができたかっていうと、彼らの大将は、朝日屋の次男坊だとか。

そこへ遠藤氏の「ツアーが20名ほど来る」の連絡。
16:00過ぎ、小屋はツアー客にインベーダーされる。日暮れ沢から雨の中、よく登ってきた彼らは、シズクのたれる濡れ物をゾロゾロとロープに並べ、遠足少女のような甲高い声を発してはしゃぎだした。小屋の雰囲気が一気に変わる。普通にしゃべれる言葉も興奮して叫んでいる。1時間、我慢しようと思った。当然1時間では静まらなかった(>_<)

小屋はギュウギュウ詰めとなり、野遊はもうこれ以上壁に寄れない。でも、もっと詰めて〜と叫ばれる。この熱気と濡れ物類だ。壁には結露が。遠藤氏は、結露のできない小屋だと言っていたが「異常気象」だろう。

遠藤氏が野遊を、階下に移動しますかと打診してくれた。しかし階下も、ほかに到着した登山者たちが数人いて、ほどほどながら満杯だった。そして野遊の隣のご婦人が、隣は女性がいいからここにいてと言い(野遊が動けばツアーのほかのだれかがここに来て、それが男性だったら困るとか)、見知らぬ者同士のツアーならもっともな懸念であり、野遊はここにいることにした。
ご婦人は(>_<)(>_<)!!、野遊の背中に隠れて化粧直し。タオル張ってぇと着替えまでしようとするので、風を通す小部屋を教えてあげた。

(矛盾しているかもだけど、野遊はね、化粧しながら登ってくる年配ご婦人の気持も好きなんだ。化粧して海やプールで泳ぐ婦人はイヤだけど)

夕食の時間は騒然。ガイド2名(男性)が、何本かの日本酒を掲げ、これはどこの銘酒だ、こっちはどこのとわめき、「明日帰るんだから、飲んでくれなきゃ重くて困る」と。どうやら竜の小屋1泊ツアーのようだ。

ガイド1「すっかり仕事を忘れてますな」
ガイド2「酒が入りゃぁこっちのもんだ」
それで大宴会のドンチャン騒ぎ。

一般登山者にお酒のビンを掲げ、
「コップ出してください、飲んでください、あとで何言われるかわかんないからね」といった傍若無人ぶり。昨夜といい、ガイドが悪い。クライアントを教育するのはガイドの役でしょうが。クライアントが悪いんじゃないよね。隣のご婦人にガイド社の名称を聞いたけど忘れた^_^;

このご婦人、夕食時、「一人で来る人はどんな物を食べるのですか」とのぞきこむ。野遊はニュー麺だった。ランチがたっぷりで、動かなかった夜はもう寝るだけだから。彼らは分配されている袋に入った食料に、お湯を入れている。ガイドがお湯を配っている。「あなたも一緒にお湯をもらえば」って、ご婦人(@_@;)

「ツアーだから、山に行ってもいいって家族が許してくれるんですよね」と言っていた。なるほど。そういう事情もあるのだな。

あれこれ聞かれて、イエスノウだけだった野遊もひとこと発した。
「明日はどこに行かれるのですか」
そしたらそのご婦人は
「明日はどこですかぁ?」
と、向かいのクライアントに聞き、その人もわからず、ガイドに聞いていた。ノンキだなぁ・・・大朝日岳を往復して小寺に下山だと思うが。(決して大げさに書いていません、実話です)