*朝日連峰北方 34 来年の今日もまた

ryo-rya2012-11-06

東京駅で家に電話した。だれもいないので留守電。藤沢駅でバス乗り、18時帰宅。ゴスケが帰っていた。「お帰り〜」「天気は良かったか」くらいで、いつものごとくゴスケは細かくは聞かない。

野遊は自分の部屋に行って、ルネを抱っこしてから、荷をほどいて洗濯などしようかと思ったが、気力が細々してしまい、何もしたくない。横になってしまった。

ベッドの中で、もうここは東北ではないのだと思った。東北から遠のいたので、気力が萎えたのかもしれない。

次の日9月15日(土)もいいお天気で、半日せっせと洗濯と後片づけをした。
16日(日)、17日(月)と連休で、野遊はそこまでお休みだ。

行動中は感じなかったのに、今は体中痛かった。手の腫れは引いた。


山じいにメールして報告した。

「無事で帰れたのが一番」と、山じいからの返信。

なんか当たり前の言葉という気がしたが、やっぱりこれだな。どこでも命の危険はなかったが、どこでも命を落とす旅だったのだ。それが山なのだ。山じいの一言は、いかにも山屋の言葉だ。ヨチヨチ歩きながらも無事に帰れたのは、お天気のお陰さまだ。

今も思い出すのは、身も心もすっきりと「障子ヶ岳」。まだまだ眺めたりない「オバラメキ」。狐穴の上の稜線に鎮座する「すごい石」。深く美しい未知への誘惑「相模山へのミキ尾根出入り口道」。そして以東岳への登りと、以東小屋の夜と朝の景色と、急降下道。(全部だわ・・・)

後日、山じいは以東から大井沢に抜ける計画があったそうで、悪天のため中止したそうだ。あの山じいでさえも、風雨の吹きすさぶ以東岳には行けないのだな。想像してみた。優しげなきれいな以東への登りを。あそこが吹き荒れたらどうだろうかと。そしたら松虫岩が目に浮かんだ。

松虫岩、かっこよかったな。その少し手前の白いひとり岩は、風にたなびいているみたいだったので、「つばめ岩」と呼びたいな。前回はガスで見えず、今回は急いで通過してしまったけれど、あのつばめ岩をもう一度見たいな。順不同に次から次へと想いがあふれて止まらない。

野遊よ、歩けたからと、また歩けると思い込んではいけない。
たまたま今回はラッキーだったけれど、いつも無事に歩けるものではない。
けれど能う限りの無事をきたして、野遊は朝日連峰に逢いにいきたい。

朝日連峰よ、来年の今日もまた!
Same season next year!
(画像はつばめ岩)